待ち合わせは、いつも本屋
「自分の本棚を見られるのは、裸を見られるくらい恥ずかしい。」
そう聞いて5年経った今でも友人が発したこの一言が忘れられない。
本屋に行くのが好きだ。友人と一緒に本屋に行くのはもっと好きだ。店の中を歩き回りながら、「この本はおすすめ」や「この本はどうだった」、「この本を読んでみたい」と会話が弾む。本のタイトルが自然と視界に入り、話のネタになっていく。何万冊と本が並んでいる以上、話は尽きない。
その日も友人と本屋を訪れていた。目に付く本について語り合い、知らず知らずのうちに時間が過ぎていく。どんな本を持っているのか、どんな本が好きなのかと質問を繰り返した。ふとした拍子に、友人が「本棚は見せられない、裸を見られるくらい恥ずかしいから。」と言った。共感できなかった。
ー本棚を見れば、その人のことがわかるー
といった格言があるように、持っている本を知られることで自分の隅々まで見透かされる気がするのだろう。
私は自分の本棚を見せても平気な人間だ。本棚を見せるだけで私という人間を分かってもらえるのならば、話が早い。
歴史関連書、展覧会図録、美術関連書、百科事典、国語辞典、くずし字辞典、文学小説、洋書、ランダムな新書、HUNTER×HUNTERの単行本33巻
これが私の本棚に並ぶ本。
あなたは自分の本棚を見せられますか。
デートの待ち合わせは本屋がいい。
「どこのコーナーにいる」なんて野暮ったいことは教えてあげない。本棚と本棚の間から私を見つけて欲しい。私のことが好きなら、どこにいるか分かるでしょ。そんな遊びに付き合ってくれる優しい人だから。
無事に出会えたら、今度は私があなたを知る番。
朝起きた瞬間から元気な27歳女 九州で生まれ育ち、大学進学とともに上京 大学で日本の英学史を、大学院で博物館学を学ぶ 卒業後は美術商の世界に飛び込むも挫折し、八百屋の店長に そんな八百屋も店を閉じ、2度目の転職を経て現在に至る アート|食器|お菓子|ダイエット|読書|歴史|雑記