【疲労センサーが登場】疲労を検知する繊維センサーがついたスポーツウェアを開発したぞ
毎度のトレーニングをしていると、調子がいいとき悪いときがあって、調子が出ないときはなるべく無理をしないようにはしている。しかし、この調子の悪さはもしかしたら一過性のものなのかもしれないし、もう少ししたら通り過ぎるものではないかとも考える。
心拍計を記録するスマートウォッチを見ると息が上がっているのに、心拍数はそれほど増えていなかったりする。自分の感覚と身体の状態がずれていると言うことは数字で見ると違いがわかる。
本当は疲れていると感じているのに、身体はまだ動けるとしたら。運動がつらいと感じていても、身体がまだ余力を残しているのだと、わかるようになったらいいけれど。
スイス、チューリヒ工科大学が開発したのは人が運動中にどれだけ疲労しているかをリアルタイムで計測する繊維センサーを開発した。研究者はこのセンサーをテストするために運動用のレギンスに組み込んだ。そして、スマートフォンを見るだけで、限界に達しているか休憩を取るべきかをわかるようになった。
現在市場にある製品の多くは、センサー、バッテリー、チップなどの電子部品が後付けされている。そのために、価格が高騰するし、製造やメンテナンスが難しかった。
今回、開発した伸縮自在のセンサーは伸縮性があることで身体にフィットするスポーツウェアや作業着の素材繊維に直接埋め込むことができる。これによって大規模な生産が容易になり、コストも削減が可能になる。しかも、センサーが密着しているから、身体の動きを正確に捉えることができる。
人は疲れると動きが変わる。ランニングも例外では無く、歩幅が狭くなったり、規則性が無くなっていく。研究者は特殊な糸で作られたセンサーを使って、この変化を測定することができた。
その糸は内側に導電性で弾力性のあるゴムを使用した構造になっている。プラスチックの薄い層で覆われた堅いワイヤーを、内側のファイバーにらせん状に巻き付けた。この2つの繊維が一緒になると電化を保持できるコンデンサーになるという。
伸縮性のあるゴムと固い針金を巻き付けたものには、どちらも導電性を持っている。この糸を伸縮性のあるランニングレギンスの太ももの部分に縫い込むと走るたびに一定のリズムで伸びたり縮んだりする。すると2本の繊維の感覚が変化するので、電界が発生してコンデンサーの電荷が変化する。
膝上にあるセンサーはウェストベルトに埋め込まれたアンテナに接続されている。これに合わせて動きを計測するための回路を構成している。
そして人の疲労度を計測するためにテスターを用意してランナーの疲労度が増すにつれて、電気信号がどのように変化するかを記録した。
しかし、まだ多くのテストと大量の歩行パターンデータが必要になるという。
スマートフォンやタブレットで連動させることで疲労度をリアルタイムで計測できるのは画期的な技術。これによって、いつもと同じトレーニングをしているにもかかわらず、疲労がかさんで怪我をするという案件も防げるようになるだろう。一着ほしいな、こういうの。