【衛星を使わないGPS】誤差数センチの位置測定システムを開発したぞ
初めての場所に行く時はスマホのマップアプリで住所を登録して、ナビの通りに歩いて行くけれど、時々方向が狂っていたり、自分の位置が建物の中に埋まっていたりする。これがウィザードリィだったら、石の中にいるわけで即死亡になる。GPSはときどき、こうなるから全面に任せられない。
グラップラー刃牙の最強キャラクター範馬勇次郎が時速4キロで動くと世界中のGPSが最大70メートルずれてしまうと言う話があって、それはアメリカの軍事衛星の半数が緊急動作をするためだという。
なお、この元ネタは湾岸戦争の時に陸軍用のGPSの数が足りなくなってしまい、民間のGPSを精度を上げて転用したところ、よその国のGPSにも影響が出てしまったという逸話があったとか。
デルフト工科大学、アムステルダム自由大学、VSLの研究者は都市環境において、GPSよりも堅牢で正確な測位システムを開発した。
この新しい、モバイルネットワークインフラストラクチャーを実証した試験機は10センチメートル程度の精度を発揮した。
現在のGPSは受信機と距離を測るために、発信する電波で時間を計っている。発信した時刻と受信した時刻の差で距離を割り出している。しかし、電波は1秒間に30万キロ進むので、ちょっとでもずれると数百メートルもずれてしまう。
スマホにも付いているGPSでナビをするとずれてしまうことがあるけど、都市部ではそれがよくある。それは、電波がビルなどの建物に反射してまっすぐに届かないから。
今回のSupreGPSと名付けられたプロジェクトの目的は、衛星の代わりに携帯電話通信網を利用し、GPSよりも堅牢で正確なだいたい測位システムを開発すること。
既存の携帯電話やWi-Fiネットワークと同じように接続性を提供し、GPSのように正確な位置と時間分布を提供できるシステムを開発することに成功した。
GPS衛星が原子時計を使って即位する様に、モバイルネットワークも原子時計に接続することで、正確な時刻にメッセージを受信することが出来る。さらに、一般的に使われている電波よりもはるかに広い帯域の電波を採用しており、反射した信号を整理することが出来、より高い測位精度を実現した。
もちろん、Wi-Fiが届いていたり、みんながスマホを使っている都市部で無いと実現できないから、衛星のGPSとさらば出来るというわけではない。都市部は都市部なりの特徴から、欠点を補ったアイディアと言える。
自動車の自動運転で画像認識、GPS以外にもこのスーパーGPSがあれば、より安全な走行が実現できるのでは。ゆくゆくは全ての車が全自動運転になって、自動車事故が極めて少なくなる未来になるのかなと思うのだけれど。
まあ、そうなると警察の交通課の仕事も激減しそうですね。