【雷の化石見つけた】超珍しい準結晶を発見したぞ

稲妻が田んぼに落ちると、収穫量が大きくなるって話があって、地面に落ちることで、空気中の窒素が地中に固定されて栄養分がたまるという。

閃電岩というものがあって、英語でフルグライト。珪砂に落雷した後にできるにんじんに似た形をした天然のガラス管。珪砂とは、石英を主成分とする砂のこと。とっても希少な鉱物で雷がそこに落ちないとできないし、しかも一定の温度が出ないと生成できない。

記録ではニュージャージー州サウス・アンボイで採取されたのが長さが9フィート、およそ2.7メートルで直径3インチだった。

日本国内でも発見例があるけれど、閃電岩の生成にはやく6億ボルトの電圧を持った雷が必要とされている。日本の気象条件ではせいぜい1億ボルト程度しか雷が発生しないという。だが、北海道岩見沢で発見例があり、どうやら、雷だけでなくそばにあった高圧電線の切断事故が重なってできたらしい。

つまりは降って湧いた石ではあるけれど、見つけるのが大変な石。これが、閃電岩とよばれているのはちょっとかっこいい。


イタリア、フィレンツェ大学で強力な電気が砂に衝突し、融合できたフルグライトの中に、不可能と考えられていた物質の配列である準結晶が発見された。いわゆる、雷の化石から通常ではあり得ない結晶が見つかった。

自然界に存在するほとんどの結晶性固体は、食卓塩から最も頑丈なダイヤモンドまで、同じパターンで原子が格子状に並び、それが3次元空間で繰り返されている。

準結晶とは、限定的な配列秩序を持った物質であり、原子がパターン上に配列しているが、そのパターンが繰り返されないという常識を覆すものである。

1980年代に準結晶のアイデアが生まれたとき、このコンセプトはありえないものだと思われていた。固体は結晶か非晶質のどちらかであって、その中間はあり得ないと考えられていた。しかし、科学者たちは実験室でも自然界でも、隕石の奥深くで準結晶を発見してしまった。

それ以来から、自然界における準結晶は、非常に高い衝撃、温度、圧力と行った極端な条件下のみ形成されることを突き止めた。

超高速隕石の衝突もその一つで、長い間、自然界で準結晶が発見されたのはこの条件下だけであり、準結晶ができるのもこの状況だけだと考えられていた。

雷は自然界で最も強力な力の一つであり、非常に速いスピードで落ち、通過する空気を太陽の表面の温度の5倍まで加熱することができる。

さらに雷が適切な場所に十分なパワーで落ちると、砂を溶かしてフルグライトという雷が地面を通った後に「化石」として残すことができる。砂が少なくとも、1710℃に加熱されないと生成できないという。

このフルグライトが準結晶であるかどうかを調べた。アメリカネブラスカ州の砂丘にたつ送電線の近くで発見された閃電岩を入手して分析したところ、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡で観察したところ、今まで報告がなかったマンガン、シリコン、クロム、アルミニウム、ニッケルからなる12角形準結晶が発見された。

この発見は、これまで知られていなかった準結晶の生成経路が存在することを示唆しており、実験室での準結晶合成に新たな道を開くものであるという。

今回の発見で、天然の準結晶で測定された微量元素の存在量と併せて、初期の太陽系星雲における放電が、必要な還元条件を満たすだけでなく、準結晶の形成を促進する重要な役割を果たした可能性を示している、とのこと。

何を言っているのかよくわからないけれど、これまでになり新しい材料の作成に役に立てるそうな。

これからの宇宙開拓に使われるかもしれないし、いずれは自動車や飛行機の部品などにも使われるようになるかも。もしかしたら、包丁やフライパンになっているかな。


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