【手術なしでパーキンソン病の治療を】超音波を使って哺乳類の細胞を活性化する方法が発見されたぞ

レナードの朝という映画があって、ロビンウィリアムズ主演のパーキンソン病の患者を扱った作品。医師のセイヤーが新薬のL-ドーパを周囲の反対を押し切って、30年間動かなかったレナードに投与したところ、起き上がることが出来た。しかも、ほかの患者も次々と目覚めていく。しかし、この患者達はL-ドーパの耐性を持つようになってしまい。また元の寝たきりに戻ってしまう。

レナードは自分のような患者のために記録を取ってほしいとセイヤーに頼み、やがてほかの患者とおなじく全て元に戻ってしまった。

悲しい話だけれど、こういう犠牲もあって新しい薬は作られていく。たくさんの失敗を築いてようやく成功の頂にたどり着くのが科学で、研究の本質なのよね。

まずはラットで臨床試験を進めて、成功率が十分あれば、少しずつ人間の治験に持って行く。安全に効果を出す治療法を見つけて行くにはなんと険しいことか。


アメリカ、ソーク研究所では、超音波を使用して哺乳類の細胞を活性化する技術を発見した。

これを応用すれば、脳の奥深くにある深部まで刺激を送ることが出来て、パーキンソン病やてんかんなど、難病の治療が可能になるとされている。

パーキンソン病の治療法に脳深部刺激療法と言う治療法があって、患者の脳に直接電気刺激を送って神経の働きを調節する。そういう方を数人見てきたけれど、患者の胸のあたりにバッテリーがあって、数年おきに交換する。リモコンがついているので、スイッチのオンオフが可能。でも、調子が悪いときは動くのもかなり苦労しているときもあった。

「ソノジェネティクス」と呼ばれる音響遺伝学と呼ばれる方法で、研究チームが超音波でTRPA1というチャネルタンパク質が反応することを発見。

このタンパク質が有害な化合物に反応して、脳や心臓の細胞を含む人体の様々な細胞を活性化するという。

マウスではこの超音波を使って、TRPA1を反応させることが出来たので、人にも同じ事が出来たら、手術をすることもなく、超音波を当てることで脳の難病などを改善させることが可能になる。

最近、やたらとめざましい医療技術を見つけているので、あと10年もしたら医療の常識がガラッと変わってしまうのかなと思ってしまった。

ともかく、レナードの朝がずっと続くようになるといい。


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