「のどごし」を体感できる装置を開発したぞ。

食事を楽しむ上で、大事なことは味や食感や風味もあるけれど、のどごしもやっぱり必要。のどごしって、誰が言い出したのか知らないけれど、ビールは喉でも味わうものだとビールのCMで教えてくれた。

喉に食べ物が通らないと、多分味気なく感じてしまうと思う。普段、何気なく食べ物を噛んでゴクンと飲んでいるけれど、食事を舌で味を感じて、波でかみ応えを感じて、いざ飲み込むときにチューブで直接胃の中に流してしまったらと思うと、やっぱり味気ないと感じるのでは。


電気通信大学野嶋研究室の研究チームは喉の皮を引っ張る方法で食べ物を飲み込んだ感覚を再現する装置を開発した。なにも食べなくても飲み込んだ感覚だけ与えられる。

これまで、口腔内に触覚や電気味覚を使って、バーチャル飲食体験を提供する研究は行われてきたけれど、喉を通る感覚を再現する例は殆ど無かった。

研究チームは飲み込むときに皮膚が動くという動きを再現することで、意識的な知覚を誘発できるのではと考えた。外から動かすことで、あたかも感覚を覚えてしまうように。

実験では、サーボモーター、アジャスター付きベルト、粘着シートとコンピュータで構成されており、粘着シートでデバイスを喉に装着。サーボモーターで引っ張ることで喉の皮膚を刺激した。

9人の健常な学生に試したところ、全員が嚥下感を感じられたという。

バーチャル世界で再現できる感覚がまた1つ出来た。完全栄養食品を鼻からチューブで通しながらも、仮想現実ではビールを飲んで、のどごしを楽しむというそんな楽しげな将来がやってくる。本人が幸せなら、それでいいのでは。

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