【センサーカメラのレンズに】太陽光で自己修復する素材を開発したぞ

自動運転車は、人間の目に代わってセンサーを使って周囲の状況を認識します。しかし、センサー表面に傷がつくと、光信号が歪んで正確な情報が得られなくなります。これは、交通事故の原因になる可能性があります。

そこで、韓国化学技術研究院(KRICT)とキョンプク国立大学(KNU)の研究チームは、自動運転車のセンサーに使用されるレンズ材料に自己修復機能を付与することに成功しました。このレンズ材料は、太陽光を集めて熱を発生させることで、傷を治癒することができます。この成果は、ACS Applied Materials & Interfaces誌に掲載されました。

自己修復レンズ材料の仕組みは、ポリマーと光熱色素という2つの成分によって実現されます。ポリマーは、チオウレタン構造という特殊な化学結合を持ち、温度が上がると分解し、下がると再結合する性質があります。光熱色素は、太陽光を吸収して熱に変換する性質があります。この2つの成分を組み合わせることで、太陽光を照射するだけで、レンズ表面の傷が消えるという効果が得られます。

この自己修復レンズ材料は、自動運転車のセンサーだけでなく、カメラやスマートフォンなどの光学機器にも応用できる可能性があります。また、製品の寿命を延ばし、メンテナンスコストを削減することも期待できます。研究チームは、今後、自己修復レンズ材料の性能や安定性をさらに向上させるために研究を続ける予定です。

特に、開発された透明有機光熱色素は、画像センサーに使用される可視光領域(350~850nm)やLiDARセンサーに使用される近赤外領域(~1550nm)を妨げることなく、特定の近赤外波長(850~1050nm)の光を選択的に吸収することができます。

太陽光が光熱染料に吸収されると、光エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、開発レンズ材料の表面温度が上昇します。その後、表面温度が上昇することで、ポリチオウレタン構造中の化学結合の解離と再結合を繰り返し、表面の傷を自己修復することが可能になりました。

開発されたレンズ素材は、傷と傷が交差しても完全な自己修復性を示し、同じ場所の傷と傷の修復を5回以上繰り返しても、自己修復効率を100%維持する優れた復元力を発揮します。

KRICTのイ・ヨングク社長は、「この技術は、安価な高屈折率ポリマー材料と光熱変換色素の両方を用いて自己修復レンズ材料を合成するプラットフォーム技術です。眼鏡やカメラだけでなく、自律走行車のセンサーなど、様々な用途への応用が期待されます" と述べています。

BingAIで作成


車やバイクで外を走っていれば、密着するホコリが溜まってくるし、放置しておくとそれが風によって傷を作ることもあるので、なるべくなら落としておいた方がいい。

最近の自動車に搭載されているセンサーカメラのレンズだって、例外に漏れることはないだろう。なんで気がつかなかったのか。韓国では自動運転システムを搭載した自動車事故が多発しているという。その原因が画像認識センサーの誤認誤作動にあるとのこと。

これからの自動車はセンサーカメラが常備する流れになっていくだろうし、センサーカメラの不調が原因による事故件数も増えていくだろう。太陽の光を当てるだけで、修復してくれるなら自動運転のセンサー誤作動による事故も予防できるだろう。

このコーティングなら、メガネにもつけてほしいけれど、スマホにも利用できないかな。擦り傷程度なら修復できるようだけれど、思いっきりひび入ったらさすがに難しいかも。


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