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中国型ライブコマースの動向変化ー変化の様子とそこから考えるあるべき姿

接客型ライブコマースツール「Tig Live」を提供しているPARONYM(パロニム)株式会社マーケティング部です。

「中国のライブコマース」と聞いた時に読者の皆さまはどのようなイメージを持たれますか?

  • 大量の商品が格安で販売されている

  • KOLが一夜にして何億円もの売上をあげている

まさに「中国型」である、そんなライブコマース大国をイメージされたのではないでしょうか?
皆さまがイメージされるような中国型のライブコマースは現在、大きな変化を迎えているようです。

今回の記事ではそういった中国型ライブコマースの情報を元に、「今、どのような変化が起きているのか」、そしてそこから考える「日本のライブコマースはどのようなものであるべきなのか」を考えていきたいと思います。


煽り販売とスーパーKOLへの集中による跳ね返り

まずは、中国型ライブコマースを取り上げた記事をいくつか見ていきましょう。発信企業や社会的影響力、消費者の動向といったいくつかの視点で変化が語られています。

中国型ライブコマースが進化(2023年7月)

中国ライブコマースが進化、値引きや有名人頼みから脱却

まずは上海ロイター通信が取り上げた記事です。
中国型のライブコマースの特徴の一つである「ライブコマースのスター『KOL』(記事内表記、スーパー司会者)の起用」について考え直す内容となっています。

「市場が細分化している一方で、スターを起用する費用が跳ね上がってしまい、費用対効果が合わなくなってきている」と記事にはあります。

従来中国型ライブコマースは値引きによるプロモーションが中心でした。しかし、単純な「スター起用」を控えるだけでなく、さらにはこの値引き中心の形にも変化が見受けられます。
値引きではなく、コンテンツの作りこみなど、ブランドストーリーを伝える形のライブコマースへの移行の可能性について触れています。
つまり、時間をかけてじっくり視聴者とコミュニケーションする、ブランド訴求型のライブコマースが中国でも浸透してきていると考えます。

中国経済におけるライブコマース(2024年6月)

ライブコマースは、中国経済に悪影響を与える経済モデル

次のこちらの記事は、少々強いタイトルとなっています。
中国でライブコマースが浸透し、利用者が増えるにつれて、スーパーKOL・ライブコマースから最低価格であらゆる商品を買うことが助長された、というのです。

結果、ライブコマース以外の販売ルートで企業や事業者による雇用が失われてしまったということが言われています。

前述の記事同様、値引き合戦のライブコマースの結果、利益構造が失われている側面もあるようです。

中国型ライブコマースの大量返品(2024年9月)

「なんか違う」中国人がネット通販で「爆買い→大量返品」の怪、その裏でちゃっかり儲ける意外な企業とは?

最後にこちらの記事をご紹介します。

中国でのライブコマースが浸透した理由の一つに、「返品のしやすさ」があります。
しかし、その返品率がいまや30~60%、カテゴリによってはなんと80%~90%も返品されるという驚くべき話が載っています。

一般的に中国のライブコマースは返品時の送料は販売者負担です。かつ大幅な値引きによるプロモーション販売のため、爆買いは起きるものの「よく閲覧され、よく買われるが、よく返品されている」というのが実情であると記載されています。

中国型ライブコマースのまとめ

ここまで3つの記事をご紹介してきました。

中国型ライブコマースは「値引き販売」を中心としているのが大きな特徴でした。しかしその特徴自体が様々な(どちらかというとマイナスの)影響をもたらし、変化を余儀なくされています。

そういった状況が中国型ライブコマースの現状と見ることができます。

日本のライブコマースの考え方

さて現在、日本におけるライブコマースは主にブランド主体のものが多い傾向です。日本の事例でもひとつ記事を見てみましょう。

ライブコマースとは?仕組みややり方と日本での成功事例

こちらはShopfyによる日本のライブコマース市場に対する記事です。
成功しているモデルとしてUNIQLO、資生堂、弊社でご支援しているニトリのライブコマースが取り上げられています。

それぞれの企業のライブコマースを見てみましょう。

  • インフルエンサー主体ではなく社員主体

  • 過剰な値引きなどがない

  • 視聴者のコメントや疑問に応えている

以上のような特徴があります。こういった取り組みを行うライブコマースを「接客型ライブコマース」といい、いずれの企業もそれを実践しています。

現時点の日本のライブコマースは、中国の爆買いが発生するような市場にはなっていません。一方で、日本でライブコマースを先行する企業は、視聴者との接点を大事にするライブコマースを行っています。その「接客型ライブコマース」の結果、CRMやLTVへの影響があることもわかってきています。

Tig LIVEでは国産SaaSである強みを発揮し、現場の声を聞き「接客型ライブコマース」をサポートし、双方向性を高める機能を積極的に充実させています。

「接客型ライブコマース」の実践については、ぜひこちらの記事もご参考にしてください。