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脱マトリックス!理論と実践2020 (vol.20):体と感情・意識④〜肝臓・胆嚢
執筆:いち あまね
この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。
そのための情報をお伝えしていきます。
身体の観察を通して、自分自身の感情や潜在意識のプログラムの発見のヒントとなるように、身体の各部分と関連しやすい感情や潜在意識についてご紹介しています。
今回は、消化管の中でも肝臓・胆嚢です。前回までの腸と連動している臓器です。
肝臓・胆嚢の生理的な機能と役割
肝臓は、腸にある自己と他者の境界線の通過を許可された物質が、小腸の絨毛上皮という根っこから吸収され、血管を通して最初に運ばれる臓器です。
人間に必要な栄養素だけでなく、侵入を許してしまった毒素(化学物質や重金属、腸内の腐敗菌が分泌した毒性成分など)や薬剤なども運ばれます。
■栄養素の活用と将来への備え
栄養素を基に、生命を維持するために必要な様々な栄養素を合成し、分配します。三大栄養素である、糖・タンパク質(アミノ酸)・脂質(中性脂肪・コレステロールなど)をエネルギーや素材として全身で使えるようにし、必要な時のために計画的に備蓄します。
タンパク質は、血液や体液を保つためにも不可欠で、肝不全になると体液が保てなくなるために、腹水やむくみが出現します。肝臓で合成されるコレステロールは、ステロイドホルモンや性ホルモン、ビタミンDの原料にもなり、ホルモンの働きや免疫機能の維持にも欠かせません。
■腸と協力して解毒処理
体内に侵入した毒素や薬剤、体内の代謝過程で生まれた様々な廃棄物(アンモニアや活性酸素など)を、酵素を使って処理して無毒化するのが肝臓の役割です。一部は、安全なものとして血液に、一部は、無効化して胆汁の中に排泄され、胆嚢に一時蓄えられたのち、十二指腸に排泄されます。
腸と肝臓は、いずれも解毒の役割をしていますが、腸を通して吸収し、不要なものをまた肝臓で処理して、胆汁として腸に戻して排泄を促すという循環的な協力関係があります。これを、腸肝循環と言います。
そのため、解毒をサポートする際は、腸の排泄を促すと同時に、肝臓をサポートすることが効率的です。
■胆汁と胆嚢
肝臓と連携する胆嚢についても同時にお話ししておきましょう。胆嚢は、肝臓が合成した胆汁を一時保管する場所です。胆汁は、肝臓で解毒した物質の排泄だけでなく、腸で油の消化を助ける消化液を含んでいます。食事の際に胆汁を分泌して、消化をサポートします。
胆汁が排泄される十二指腸は、胃と小腸の間です。胆嚢炎などで胆嚢を切除してしまっている人は、油を上手く分解できないので、下痢をしやすかったり、脂溶性のビタミン(ビタミンA、 D、 E)の吸収が悪くなってしまいます。
胆嚢は肝臓をサポートする形で、重要な役割を果たしています。
肝臓・胆嚢の感情と意識、テーマ
肝臓と胆嚢は、一連の働きをしていますので、同時に説明します。
■肝臓
・処理
・計画性
・組織力
・貯蔵
・ビジョン
・筋力
・保護
・怒り
■胆嚢
・実行力/行動力
・消化
・放出
・怒り
■堪え性がなく怒りっぽい?肝臓病性格
日頃エビデンスを重視する医者であっても、各病気ごとの性格傾向については、病院内でよく口にされる話題で、各専門家ごとに患者さんの特徴があることが知られています。特に、「肝臓病性格」については「怒りっぽくて、堪え性がない」と言われています。
日本の東洋医学発展に貢献した大塚敬節医師が古典医学書である『五臓圖賦解』を紐解いたところによると、肝臓病にかかりやすい人(五行の中でも「木」形)の性格傾向は、
「心は細々として大きな器量がなく、物事にかかわりやすく、少しのことにも驚きやすく、また起こりやすく、しかも堪え性がない。物事に感じやすく、とかく子ども心のように浅はかである。」と述べています。
肝臓に関わる機能は、物事の高度な処理や組織力です。人生に関わる出来事を上手に処理し、様々な情報を踏まえてそれを統合・組織化し、未来へのビジョンを持って、将来への備えや計画を立てていく力に関わります。五感でいうと、視覚に関わっています。
これを損なうと、情報処理が上手にできず、先々のことが考えられなくなってしまうことがわかります。
■肝臓と胆嚢の連携作業
肝臓で作られた胆汁を貯留し、放出するのが胆嚢です。胃が、物事や人生を消化するための臓器と以前にお話ししましたが、胆嚢も同様に物事や人生の消化を助け、肝臓が高度に計画したプランを実行する行動力と関連しています。
東洋医学的に、肝臓・胆嚢は、五体のうち、筋や筋膜、腱に関連しているとされています。また、血液循環や人を保護する衛気というエネルギーを司るとされています。筋肉に必要なアミノ酸を代謝するのは肝臓で、筋力を維持することで自分を保護します。胆嚢は、腱に関連し、しなやかな強さを持って計画を柔軟に実行することに関連するとされています。
■肝臓・胆嚢にまつわる感情
肝臓は、東洋医学的な五行・五腑の考え方で言えば、木の陰の要素です。木の陽が胆嚢にあたります。感情としては、いずれも怒りに関連するとされています。
怒りは、自分の境界線を犯されることでわき起こる感情です。自分の保護に関わる肝臓は、自分の境界線を犯して侵入するモノや毒を警戒して、怒りの感情を噴出させます。
肝臓で沸いた怒りを、流すのが胆嚢です。怒りをため込みがちな人は、肝臓に負担がかかるだけでなく、胆石として結晶化する場合もあります。怒りは、ポジティブに転換できれば、困難を乗り越え、先のステージに進むことをサポートしてくれる感情です。
「他人」を重視し、「自分」を抑制しがちな日本人は、怒りを押し殺しがちです。あまりに押し殺し過ぎると、本質的に沸いているはずの感情を感じることができなくなる「失感情症」に陥り、無意識に感情を溜め込んでしまいます。
自分の境界線を曖昧にして、常に他人の侵入を許してしまうことになると、自分という軸がなくなり、常に他人の軸で生きることになります。結果、苦しくなって爆発したり、心身の不調や病気を引き起こしてしまいます。
喜怒哀楽のひとつである怒りは、沸き起こって当然ですし、それが健康な状態です。まずは自覚する。そして、素直に出すことを練習していきましょう。
情緒語は、無自覚な感情を自覚するのにとても役立ちますので、ぜひ活用してください。
(つづく)
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【いち あまね プロフィール】
医師・認定産業医・文筆家
米国IBA認定・ボディトークプラクティショナー
国立大学医学部医学科卒
出口王仁三郎が霊山として、邸宅を構えた岡山県熊山遺跡の麓に生まれる。
某大学病院糖尿病代謝内分泌科を経て、臨床医として最新のバイオロジカル医療・予防医療から在宅・看取り医療まで幅広く臨床経験を積みながら、個々の病気の根本原因やより良き生と死に向き合ってきた。
究極のヘルスケアは、人類の進化であると捉え、最新の分子整合栄養療法・バイオロジカル医療から常在細菌学、生命科学、意識科学、理論数学、物理学、哲学などを統合した視点で、医療とヘルスケアの次元上昇を目指している。
薬を処方する代わりに、情報空間へのアプローチとして、情報を処方することを天職と捉え、書籍やメディアなどで情報を発信している。
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