聖典『ウパニシャッド』を学ぶ前に必要なこと
聖典『ウパニシャッド उपनिषद् 』を最初に学ぶ前に先生から習う
『タットヴァボーダ तत्त्व बोध 』
タットヴァボーダ(真実の知恵)はウパニシャッドのエッセンスがまとめられた小冊子です。その冒頭に登場するのが、
アディカーリー(अधिकारी )教えを学ぶ前に必要なこと
4つの心構えと、6つの心の質について述べられています。
さて、どんな心構えが必要なんでしょう?
サーダナ チャトシュタヤ(साधन चतुष्टय)
修行:サーダナ(साधन)に必要な4つの心構え:チャトシュタヤ(चतुष्टय)は自分を知るため(自由を望む人)に必要な心構え。ひとつずつ見てみましょう。
❶ヴィヴェーカ(विवेक)識別智、見極め
変わらぬ存在と変わりゆく物の違いを見極める力
❷ヴァイラーギャ(वैराग्य)離慾による平静さ、冷静さ
物や体験に対して冷静でいられること
❸シャッカ サンパッティ(षट्क सम्पत्ति)
心を収めるなど6つの成熟度、心の質
❹ムムクシュットヴァン(मुमुक्षुत्वं)解脱への熱意、自由を望む態度
自由への強い意志
シャッカ サンパッティ(षट्क सम्पत्ति)6つの心の質
❸のシャッカ サンパッティ:心の成熟度には6項目あります。
①シャマ(शम 心を定めること)
心を意志で自在に扱う力、自分の心を観察し、
感情や考えに流されないようにする。
②ダマ(दम 感覚・体を収めること)
感覚の欲求のままに動かされず、毅然とした態度で物事に接する力。
③ウパラマ(उपरति 責任感)
人間として、為すべきこと(それぞれの役割)を、責任をもって果たす。
④ティティクシャー(तितिक्षा 寛容さ)
暑さ、寒さ、喜び、悲しみなど、両極端な状況を受止める大きな心。
何が起こっても受止めてそこから学ぶ態度
⑤シュラッダー(श्रद्धा 開いた心)
聖典の教えなどに真摯な態度で、心を開いて受止める態度
自分を明かす言葉と知恵(聖典や先生)を信頼をもつこと
⑥サマーダーナン(समाधानं 集中力)
心を一つに定めること、
心が落ち着いている時本当の自分を理解することができる。
落ち着いて一つの大事なことを集中して考える力を持つこと。
※以上 “やさしく学ぶYOGA哲学 ウパニシャッド”
タットヴァ・ボーダ 向井田みお先生 より抜粋引用
タットヴァ・ボーダは是非読んでいただきたい。
ヨーガをする人も、しない人も様々な気づきのきっかけになるでしょう。
個人的にはムムクシュットヴァンとティティクシャーが好き!
「好き!」って(笑)
ओम् तत् सत्
om tat sat
オーム タット サット
オームそれだけが真実