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記憶のよみがえり エッセイゆらぎ(1)
ひとは、普通、何歳頃迄、記憶を辿ることができるのでしょうか?!
あまりにも大きな事件・衝撃が刺激となって、幼い頃の記憶が残り続けるということが有り得るのでしょうか?!
PTSD故、0歳の記憶が残っていると言ったら、嘘つきと言われるでしょうか?!
断片でしかありませんが、歩き始めた幼児が使う手押し車の玩具(「カタカタ」と呼んでいたかと)をひっくり返して、車を手で回している自分を覚えているのです。これは、明らかに熊本県荒尾市の炭住です。0歳頃です。
それと、蛙が啼く田圃の畦道に座らされている自分を覚えているのです。これは、明らかに熊本県玉名郡南関町の母の実家です。確実に0歳です。ぼわーっとしたイメージではなく、はっきりした記憶としてです。
ただ、それだけです。一瞬のイメージとして。
PTSD発病時点で、幼い頃の何らかの記憶が残っていて、それがPTSD故、引き摺って長期記憶として残っているという解釈は可能でしょうか?
「忘れる」ということは、人間に与えられた利点なのかもしれません。忘れられない程、何度も何度もくり返しくり返し想起してしまわざるをえないネガティブなイメージの記憶がPTSDなのかもしれません。
コンピュータメモリの様にDELETEしてしまえれば、PTSDという「病」もないのかもしれません。それができれば、どれほど楽なのに、と思ってしまいます。
「忘れる」というのは、人間の精神が安定し続けるための仕組みなのかもしれません。
そういう意味では、PTSDは、必然的にHSPなのかもしれません。生まれつき、外界に対する「感度」がよすぎるという病!
いずれにせよ、小説「ゆらぎ」は、そんな記憶から始まります。
18.Feb.2025 エッセイ「ゆらぎ」