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米農家が作るとびきりの枝豆 大粒・ 濃厚な甘さの「秘伝豆」

福井県坂井市丸岡町の米農家・中瀬農産。経営する中瀬忠さんは、同農家の二代目として米づくりを中心に、大麦、蕎麦、枝豆の生産をされています。Park Coffee&Bagelでは、クリームチーズと合わせたスプレッドに、中瀬農産さんの枝豆を使わせていただいています。本記事では、中瀬さんの枝豆づくりについてご紹介します。


実が大きく膨らむ前の成長期の枝豆


九頭竜川の清流で作る穀物

中瀬農産さんは、約3反(約3,000平方メートル)の農地で、米、大麦、枝豆(大豆)、蕎麦を生産しています。4月から5月に田植えをし、秋に米を収穫した後の乾燥した大地が、大麦、枝豆、蕎麦の栽培に適しているのだそうです。農地で、こうした複数の作物を栽培するのは、福井県で推進されている2年3作体系(米、大麦、大豆、蕎麦)の生産方法です。水田の時期が終わると豆の畑に、豆が終わると水田にというサイクルが病気にもなりにくい土壌を育むことができると中瀬さんは話します。また、米、大麦、枝豆、蕎麦はいずれも穀物の栽培で、収穫に使用する機械も共通のもので行うことができるため、年間を通して効率よく生産することができます。

コシヒカリのふるさとでもある丸岡町は、古くから米どころとして知られています。福井平野の水田では、県を代表する九頭竜川から農業用パイプラインを通して流れ込む冷たい水を用いて生産しています。日中に地表面の温度が上がり過ぎると米の生育に影響を及ぼします。2016年に、福井平野の農地に水を送る専用パイプラインが全面通水となり、きれいな水を安定して供給できるようになりました。きれいな水が農地に行き渡ることで、多様な農産物の生産や品質向上に繋がります。
「パイプラインから冷たい水が流れ込み、夜でも温度を一定に保つことができます。だから、うまみ成分を蓄えたとてもおいしい米が育つんですよ。」(中瀬さん)


米が実る黄金色の稲穂


中瀬農産のお米


希少な品種「秘伝豆」を生産

中瀬農産さんでは、一般的に流通している枝豆種ではなく、山形県の秘伝豆という品種を栽培しています。秘伝豆は収穫時期が短く、生産量も少ないため希少価値の高い品種です。青大豆の一種で、大粒で甘みが強く、熱湯を通すときれいな緑色に茹で上がります。豆の香りもとてもよく、「秘伝」という名前は、これらの味わい、香り、サイズなどの品質がよいことからつけられたと言われています(諸説あり)。中瀬農産さんの秘伝豆もまた、大粒で濃厚、香り高く格別な味わいの枝豆です。


枝豆の畑


試行錯誤を繰り返して生産される作物

「農業は難しい。知れば知るほど難しい。なんで病気になるのかとか、大雨が降ったり、虫がついたりといった害にどう対応したらいいのか…、勉強しなければいけないことばかりです。」(中瀬さん)

人間が、食事だけでなくサプリを飲んで栄養補充をするのと同じように、米や野菜にもカルシウム、マグネシウム、微量要素と呼ばれる植物の生育に欠かせない栄養を与えることが必要です。中瀬農産さんでは、栽培する作物に菌の散布を行っています。この菌には、植物根に共生して栄養や水分を補給し、生育を促進、また、植物を乾燥に強くするなどの働きがあります。中瀬さんの農地で使われているのは、菌根菌(キンコンキン)という菌類です。この菌を使うと、作物が環境ストレスに負けにくくなり、天候が荒い時にも助けてくれるそうです。


中瀬農産二代目・中瀬忠さん

「たとえば、長野県とか東北のお米がおいしい理由は、木が違うからなんです。山に生えている木は広葉樹が多いから、枯れた葉っぱが大地に落ちて、それを微生物が分解する。分解されて腐葉土になって、雨水や川になって流れてくるんです。だからミネラルが多い水になります。」と中瀬さんは話します。地域ごとの土地の特徴や水の違いを調べ、地元福井の水田に適した肥料の選定や穀物の栽培方法を研究しています。中瀬さんは、25年ほど前に法学部を卒業後、家業を継いで農業を始めました。農業に携わり、経験を積みながらも学ぶことは多く、親世代から受け継いだ技術だけでなく、インターネット上で情報発信している他農家さんの動画など、農業や栽培方法に関する情報を調べながら試行錯誤を繰り返しているといいます。


実をつける秘伝豆の枝

中瀬農産さんが作られた秘伝豆は、Park.スタッフが収穫をお手伝いさせていただき、手作業で一粒一粒枝から実を取り外す作業を行いました。栽培から収穫まで多くの人が関わり、手間暇かけて作られた枝豆。Park.でぜひ味わっていただきたい旬の一品です。


Park. で食べられる中瀬農産さんの枝豆

中瀬さんの秘伝豆を使ったベーグルは、Park.で「枝豆とクリームチーズのスプレッド」として販売しています。大粒、濃厚な味わいの枝豆をたっぷり使ったベーグルのためのスプレッドです。

中瀬農産さんの秘伝豆スプレッドは10月末頃まで販売予定です。詳しくは、Park.のInstagramをご覧ください。


※本記事の内容は、取材時(2023年9月)のものです。

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