on the road to eclipse #01 『LOS ANGELES』 by 熊谷義朋(写真家)
3月25日、午後1時すぎ、カリフォルニア州のロサンゼルス空港に到着して
まず思いだしたのは映画「ナイトオンザプラネット」のことだった
ロスアンゼルスの空港からスタートする物語
タクシードライバー役のウィノナライダーが
車のサンバイザーに収納してるタバコを出して
おもむろに火をつける感じが好きで
なんとなく覚えていた
9時間のフライトの後のロサンゼルスの空港は
鈍色のベルトコンベアが無機質に流れており
映画のまんまの世界のようで
何か変な気分になってぐるぐると周りをまわってみた
係員達はベルトコンベアからバックを下ろして、
順番に並べていく、
たまに響き渡る大きな音は
プラスチックのトレイを乱暴に投げる音だ
何か自分で勝手に思い浮かべるアメリカの光景のようで、
少し高揚しながら出口に向かった
今回のアメリカの目的は皆既日食を見に行くまでの道程の撮影で
皆既日食の布教活動をしている荒井さんの話よると
同時に見れる人数が人類最大規模の日食らしい
あまりよくわかってないまま来てしまったが、
ただ何よりも昔行きたかったアメリカを見にきた気がする
空港のゲートから出て荒井さんと映画監督の大野さんと合流し
初めて会話したのは、ベトナム系の男性とパートナーの女性だった
横のベンチで軽快に話しており
ピンクのキャップにピンクのバックが気になって声をかけたのだが
なかなかのナイスな2人で
キューバの帰りにサンディエゴでお店を開いてるらしい
思いのほかたくさん話をして
最近のロスアンゼルスの感じや
キューバの経済の話
サンディエゴ、メキシコの話などを聞く
中でも一番気になったのは
彼の仲間はサンディエゴでチームを作ってドリフトをしているようだ
サンディエゴのドリフトチーム
とても惹かれる響きだと思ってしまった
日本のように峠を攻めていっているのだろうか
それとももっと他の走り方があるのだろう
もし可能なら見に行きたい
次の行き先を模索しながら
連絡先を交換して別れた
ここから少しずつ皆既日食に近づいていく
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