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【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ② hiraco『THE CITYSCAPE』(東京都杉並区)

毎日のようにたくさんの応募をいただいております COLLECTIVE 。コロナという大変な時代でも、全国各地のひととこうして制作物=アートワークを通じてつながれるのは、ギャラリーとして本望です。

ZINE に興味があるひと、いますぐ作りためたものをコピーしてホッチキスでとめてみて! もしくはこの機会に心に沈んだ澱のようなものを吐き出してみてはいかがでしょうか?

ZINE というのは実は解釈は広くて、考えれば考えるほど途方もありません。社会性を含んだ過激な時代もあれば、ストリートカルチャーのアイデンティティだった時代もあれば、自分の作品を発表するための小さなメディアだったことも。印刷や製本が劇的に安くなったいま、年賀状感覚で作ることもできます。たくさんの文脈に分けられることができるのです。ZINE って何よ!って方は、この本が一番詳しいかと思います興味があればぜひ。👉 https://amzn.to/2ZHM0Bd

COLLECTIVE では、ZINE が基本的に持っている特性や属性を理解し、リスペクトした上で、オール OK にしていきますのであしからず。

在りそうでない、なさそうで在る、そんな街並みを描いてみました。

hirano01のコピー

誰もいない都市空間は淡く彩られ夢の中の世界みたい

ZINE の特性・属性のひとつに『偏愛』がある。どうしてもやってしまうこと、どうしても集めてしまうもの、どうしてもやめられないことなどを記録していくタモリ倶楽部に出演できそうな作家が作るタイプの ZINE 。例えば毎日食べてるカップ麺のパッケージを紹介するとか、路上に落ちてる手袋を撮影しまくるとか、古くは切手の収集家なんかは生粋のジンスタ(=ZINEをつくるひとのこと)である。

東京在住の hiraco さんによる ZINE『THE CITYSCAPE』も『建造物』への偏愛がたまらない。誰もが一度は足を止める、でも何気ないしなんの変哲もない一角。団地やマンション、高架、高速道路がイラストで描かれている一冊。重厚感のある都会的な景色は写真のモチーフになりやすいから、パッと見では既視感があるのだけれど、あえてシルク版のようなミニマルな線と面で表現することで独特の浮遊感を再現している。誰もいない都市空間は、淡く彩られ、夢の中の世界みたい。でも確かにある。まさに「在りそうでない、なさそうで在る、そんな街並み」。

会社をズル休みしてそのまま街を散歩してる時とか、真夜中の散歩とか、こういう景色をたくさん見つけていたなと思う。自分の中の何かが欠け落ちてる時にすっと染みてくる景色なのかな。自分の過去の記憶と重なる ZINE というのは気持ちがいい。

2冊目も ZINE らしい ZINE。ぜひ会場で。


レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)


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作家名:hiraco(東京都杉並区)
東京在住。武蔵野美術大学卒業後、現在は広告会社で空間のプランニングやディレクションを担当。作家としては、建築物やインテリアのイラストレーションを中心に活動中。シルクスクリーンやリソグラフなどの版画表現から、デジタル表現まで幅広く展開。
https://www.instagram.com/hirahirahirano123/
【 地域の魅力 】
東京だけど人間味があり温かい。
【 オススメ 】
西荻窪駅前の居酒屋街
たくさんの人で賑わっていてこちらも元気になれる。


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