フランス人夫とのコミュニケーションは二カ国語?!
私にはフランス人の配偶者がいる。
パートナーが外国人の場合、よく聞かれる質問の一つが言語の問題だ。
今回は、これまで数えきれないほど聞かれた質問
「いつも何語で話しているの?」
を基に、私たちが取り入れているコミュニケーション方法について話したいと思う。
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俗に国際結婚や国際カップルと呼ばれる、国籍や言語や文化的背景が異なる人間同士が共有している関係性の中で問題になるのが言語だ。
まずはこれまで出会ったコミュニケーションパターンをいくつか紹介したい。
①どちらか一方の言語で話す。
②英語で話す。
③それぞれの母語以外かつ英語以外の共通言語で話す。
私たちはこのどれでもなく、④日替わりで日本語とフランス語で話す。を導入している。
簡単に言うと、定食のようなものだ。
とはいえ小料理屋の定食ならば月から土日まで曜日ごとに違うメニューが出てくるのだろうが、我が家ではこれが刺身かステーキかの2択のみ。
月曜日→日本語、火曜日→フランス語、水曜日→日本語…という具合で、日本語の日は2人とも一日中日本語で、フランス語の日はフランス語で会話しているのだ。
なぜ私たちがこんな(初めは)小めんどくさい方法を取り入れているのか。
それは、国の文化や話者が培ってきた環境を全て凝縮している言語にはかなりのパワーがあるからだ。
だからどちらかの言語に偏ってしまうと、人間関係のパワーバランスも傾きかねない、というのが私の持論だ。だから対等な夫婦関係に軸を置いている私たちは今後もこの日替わり言語定食を続けていくだろう。
ここで簡単にこのコミュニケーション方法のメリットとデメリットを紹介したい。
〈メリット〉
語学力が上がる。
知らない語彙や表現があれど母語に逃げることができないので、言葉の幅が広がる。
例 : 「Tu peux couper le poireau en 半月切り?(ネギを“ハンゲツギリ”にしてくれる?)」とは言えないのでその後絶対に「en fines demi-lunes」を使うようになる。
〈デメリット〉
怠惰な日は知っている言葉しか使わなくなる。コミュニケーションの豊かさがなくなる。
例 : (大島紬の歴史と制作工程の本読んでよかったわ〜この感動を伝えたいわ〜。)「ねぇ、私の着物あるじゃん?」「うん」「あれさ…あの着物の生地ってさ…」「うん」「すごい(手織り…亀甲…薩摩藩…)… かっこいいよね!」(完)
この方法は互いが互いの母語をある程度理解できることが前提であり、相手の言語レベルを把握していることも必要だ。
そしてもちろんこのコミュニケーション方法はあくまで生活の基礎にすぎない。ある程度の寛容さも必要だ。
例えば、フランス革命史が好きな私が日本語の日に相手に「処刑人のサンソンが… 処刑台に置かれた断頭台が… その時民衆は… 」などと感慨深く語ってしまったが実は2%も伝わっていなかった、ということが起こりえる。それ以来、相手がわかる言葉に言い換えるか相手にとって難しい単語の翻訳を交えながら話すこともある。
こんなことを話すと、大抵聞かれる質問が
「じゃあ、喧嘩した時はどうなるの?すごい腹が立ったらフランス語の日でも日本語で怒っちゃうんじゃない?」
である。
これについてはなが〜い話があるので、またいつかの記事で紹介したい。
今回は異文化を持つパートナー間における言語問題について私たちの例を紹介したが、ここまで言語言語繰り返した結果言いたいことがある。
言語に焦点を置くのは大切だがあくまでツールにすぎない。
一番大切なのは
どれだけ相手を尊重するか。
ということ。
特に文化的背景が異なる者同士は「空気を読む」ことだけで成立するのが難しいので、とにかく互いの文化を尊重しあいましょうね!
国際カップル・結婚などで異文化・言語コミュニケーションの経験がある読者の方いらっしゃいましたら、ご意見ご感想お待ちしております。
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