打ちもできない投げもできない大谷翔平のような男、 俺
仕事はツライよ。
「辞めたらいいじゃない」
まぁ、そんなこと言わずに少し付き合って。
今の仕事を始めたのは昨年の4月。
大学院を卒業し意気揚々で熊本から東京に乗り込んできた。
仕事は技術営業。
『営業もできて、技術もできる、そんなスーパーな人材に貴方もなりませんか?』
就活のこの殺し文句に刺されたのだった。
この文句は、鬼滅の刃に出てくる鬼 猗窩座の『お前も鬼にならないか?』と同義の誘いだということは入社して暫くたたないと分からなかった。
技術営業として、ソフトを売って、買ってくれたお客様がソフトを自社に導入するまでの、購入〜実装までをサポートしている。
なにせカバー領域が広い仕事である。
まるで打っても投げても活躍できる大谷翔平並みのカバー領域だと自負している(自負しているだけである)。
さて、ここで、そんな大谷翔平の如き私にある問題が発生している。それは、
売ってるソフトがバグだらけ
ということである。
『結構毛だらけ猫灰だらけ、売ってるソフトはバグだらけ』なのである。寅さんもびっくりの口上が爆誕してしまった。
営業と技術は相反するところが大きい。
私の中では、営業は売ることが至上命題で、技術は価値あるテクノロジーを作ることが至上命題だと思っている。
だとすれば、バグだらけのシステムの販売とサポートをする技術営業とは一体何者なのだろうか。
売り上げを上げたい、でも、バグだらけ。売ったらあとで自らの首を絞めることになる。でも売り上げがぁぁ。
ちなみに私の専攻は火山学である。どのみち、バク対応が来ても私の手に余る。私に出来ることとしては、苦虫を噛んだような顔で終業を待つだけである。
幸いなことにソフトは最近バグがかなり改善されてきており本当にホッとしているが、仕事自体があまり自分に向いていないことは明らかだ。
打ちもできない、投げもできない、バットの持ち方も野球のルールもおぼろな大谷翔平のような状態である。
そんな大谷翔平はもはや大谷翔平ではない。
こんな事を徒然に書いてみたが、誰しも最初は初心者なのである。大谷翔平が産声を上げた瞬間から野球の知識を熟知していたとは考えづらい。
じっくり腰を据えて取り組むことが吉と信じ、明日も仕事に向かうのである。
ではまたそのうち会おう!
(仕事を辞めない、とは言っていないゼ)
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