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再び活気づいたパリで思うこと。

このところ、家に閉じこもって
一日中仕事をする日が続いたので、
今日の午後は、お気に入りのレインコートで
外の空気を吸いに出かけた。
カフェのテラスのみが解禁になり、
通りはますますにぎやかになった。

ますます…とあえて書いたのは、
カフェが閉まっていた時でも
道端や公園で立ち止まって、
コーヒーやワインを飲みながら
おしゃべりする人がたくさんいたからだ。
だから、フランスは再びロックダウン…と
日本のニュースで流れたようだけれど、
実際はそんなことはどこ吹く風…であった。

そうは言っても、実際にカフェが開くと
街中が明るい雰囲気になる。
長い長い間、お店を閉めていたので
カフェの店員さんたちは、
もう働くのが嫌になっているのではと
考えたりもしたけれど、
その逆で、水を得た魚のように
生き生きと嬉しそうに働いている。

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せっかく商業施設も再開したので、
今日は近くのデパートに行ってみた。
カフェのテラスは、あんなに
ひしめき合って人が座っているのに、
意外とデパートはガラガラだった。
やっぱり、パリの人達は
ショッピングより、カフェで人と話す方が
好きなのかもしれない。

久しぶりの店内。
見るもの全てが新鮮だった。
ずっと人目に触れることがなかった
たくさんの秋冬の洋服が、
誰かに買ってもらうのを
待っているみたいに並んでいた。
特に今必要なものはなかったので、
せめて「かわいい!」「似合うかな」とか
心の中で言いながら、丁寧に見ることにした。

食器や調理器具や家電も
ゆっくり見てまわった。
「早くお店が開かないかな」
「早く元通りにならないかな」
そう思っていたのは、
私だけではないと思う。

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でも、
元通りではなかった。
デパートは元通りかもしれないけれど、
私が元通りではないような、
そんな感覚だった。
素敵な洋服や商品がたくさんで、
ある意味豊か過ぎて、
私にこれ以上何が必要なんだろう?
そんな気持ちになったのだ。

自分にとって
本当に必要なものは何か?
もう要らないもの、
手放したいものは何か?
ロックダウンの最中に
自然に考えるようになり、おそらく
私自身が変わったのだと思う。

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きっと、カフェで働く人や
テラスでおしゃべりしている人達の意識も、
変わったのではないかと思う。
コーヒーを飲むという
当たり前だったことが
こんなにありがたいことなんだって
思うかもしれないし、
仕事は嫌だったけれど、
やっぱり働くって楽しいって
思っているかもしれない。

きっと、みんなの意識は
元通りではないはずだ。
むしろ、元通りでなくていい。
この機会が私にくれた気付き、
それは、
毎日のちょっとしたこと、
全てが素敵な一瞬だということ。
明日はどんなことに出会えるかな!

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