疎遠だった友人から連絡が入った
突然、友人B子を介して、疎遠だったA美のいるグループLINEが作られてた。
もう連絡を取り合うことはないだろうと思われたA美とは、趣味が同じで20代の一時期、いつも一緒だった。
いつしか疎遠になって、気付けばもう20年近く会っていない。
B子からは個人宛に、A美が連絡をとりたがっているのでグループLINE作ったよ、とあった。
同窓会でも会うことがなかったA美。
どう返せばいいのか戸惑った。
すぐにOKの出せない感情のゆくえを深堀りしてみる
どうしてだか、つながりたいような、つながりたくないような…そんな気分が入り混じっていた。
思春期に母親を亡くしたA美には、よく怒られたしイジられた。母親のような口調で怒られた記憶がそれは鮮明で、若かった頃の戸惑う私が頭の中で一瞬でよみがえったほど。
でも、記憶を辿ると、私が世間知らずだった頃のエピソードも思い出せた。当時の私は恥ずかしくなるほど無知だった。そんな未熟な自分を思い出すと気まずさも感じる。
直ぐにつながることにOKを出せていない、今の自身の感情を深堀りしていった。
ああ、なるほど。
深堀りしているうちに、私はA美の強気な口調が苦手だったことを思い出せた。いつも強めの口調で怒られて何も言い返せなかった当時の自分。
それは、どこか同等な立場ではなかったように思える。
それが私の中でストップをかけていたのかもしれない。
でも、A美に対してトラウマになるような嫌な出来事は無かったようでホッとした。疎遠になってからは、旧友の一人になっているだけだった。
ブロックされてる?
半日経った頃、何度も書き直してやっとSNSを返した。
ら、すぐさま既読になり返ってきた。
「ブロックされてると思ってた!」
A美は、そうLINEしてきた。
「え?なんで?」
そう返して分かったのは、
A美は私の個人LINEにメッセージを送っていたようだった。
なかなか既読にならない私のLINEに「ブロックされているのかも」と思ったらしい。
そんなA美の様子を知るにつけ、意外と簡単にSNS上のラリーが続いた。
だって、アラフィフだもの。
疎遠になってた理由には、互いの思い違い、勘違いもあった。
A美は私とのある出来事が、心の中でずっと引っかかっていたようだ。でも、私には記憶が全く無い。
私は私で、強い口調のA美がただ苦手だっただけ…。
当時はスマホもSNSもない時代。互いに引っ越してしまえば連絡をとる手段はなにもない。
アラフィフも後半戦に入った私たちは、1時間をかけて互いのコメントを待った。電話で話した方が早いかもしれない。でも、時間をかけて文字を打つ方がある程度の距離感があってラクだった。
彼女とのSNSの会話を終了させたあと、私はちょっと考え込んだ。
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考え込んだけど…笑いが込み上げて
一人で笑ってしまった。
私もおばちゃんになったんだな、こんなにハッキリ言えるようになったのだから。
A美とのLINEのやり取りを読み返しては、笑った。