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誰もわたしのことを傷つけようと思って、言ったわけじゃない
たまに悩める読者さんから、メールがくる。
重い病気への不安を吐露したメールに、わたしの心はぽっかりと空いた。(こんなこと書いたら申し訳なく思っちゃうかもしれないけれど、そんな意図はないのです。メールを通じて感じたことを書きたくて…)
生きてるってなんだろう?
死ぬってなんだろう?
なんだかどうにもジッとしてられなくて落ち着かなくて、コンサートホールあたりをぐるぐると散歩した。
水面に映った木々が綺麗。リフレクションなんてカッコイイ言葉ではなく、哀愁を感じる佇まい
葉っぱが色づきはじめていた。紅葉真っ盛りよりも、このくらいの微妙な混じり具合がすきかもしれない
歩きながら、返信を考える。
「生きてるのはあたりまえじゃないから、
わたしも目の前のことを味わおうと思いました」
ええい、ダメだダメだ。
指をすべらせ、秒で消す。
あの時と、同じじゃないか。
3年前、わたしがもらったメールのあの人と同じだ!
「ぱりんこさん、お母さん亡くなられた記事、読みました。ありがとうございます。わたしはお母さんがいなくなったら生きていけないので、母との時間を大切にしようと思いました」
悪気はないのはとってもわかる。
でも、当時の私にとっては、猛烈に傷をえぐるメールだった。
帰り道、知らないおじさんに道をたずねられた。
一生懸命Google mapで探したけれど、場所を告げるとお礼もそこそこにすごい勢いで去っていった。近寄ってきた時も、かなりデカい声でこわかった。
この前、今まで一度も嫌な思いをしたことがない喫茶店で、順番を忘れられていた。優先されたのは母と娘と祖母の3人組だった。祖母も母も強そうで声がデカかった。大変そうだったから、オーダーが決まっても彼の動きが止まるまで様子見してから声をかけたわたしは(精一杯の配慮)なんだかかなしかった。
誰も、わたしのことを傷つけようとして言った(した)わけじゃない。
みんな必死に生きてるだけなんだ。
でもね、なんだかたまに無性にむなしくなる。
こっちがあれこれ心配して先回りしたところで、相手もおなじように丁重に返してくれるわけじゃない。自分が伝えたいことが正しく伝わるわけじゃない。
何を言っても、何を伝えても、傷つけてしまう気がする。うまい言葉が見つからない。
とにかく今思いつくままの、精一杯の気持ちをこめて長文を送信した。
はぁ、はやくドラマ「スナックキズツキ」の世界に帰りたいな。あんなお店があったらな。
ちょっと強くなってきた風を背中に感じながら、帰り道を歩く。
夜にやっているカフェなんてないもんなぁ…
ねぇ、こういう時は東京がうらやましいね。
わたしも「いらっしゃい」って迎えてほしい。
でもね、まだスタバさんがあるから、生きていけてる。お姉さんが、「わぁ、レシート当たったんですね、すごい!」と言ってくれたから生きていける。
(アンケートレシートがあたって、一杯無料になった)
このnoteを読んで、何かしたら共感の念を感じてくれた方は、ぜひスナックキズツキ第2話(TVerとか配信サイトで観れるはず)観てほしいです。いや、観た方がいいよ…!
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