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格安オーダースーツの先駆者SADA
総務省の家計調査によると1世帯あたりのスーツ購入額は1990年から2016年にかけて30%ほどに落ち込んでいます。
そんなスーツ業界逆風の時代に右肩上がりに成長を続けているスーツ会社があります。株式会社SADAです。2012年ごろから現在まで右肩上がりで成長を続けており、2023年にはさらなる成長を見込んでいます。
そんな成長著しいSADAですが、実は2度の倒産の危機がありました。1度目は200年に大手得意先であった百貨店そごうが経営破綻したこと、2度目は2011年の東日本大震災により取引先の多くが経営破綻したことです。これらの危機からどう回復したのか?SADAのイノベーションについて考えていきます。
イノベーション① 業界最安のオーダースーツ
2000年、大手顧客のそごうを失ったSADAは倒産の危機にありました。当時の借金は25億円、売上は22億円で従業員への給料もまともに払えない状況でした。この悲惨な状況を変えるため、格安オーダースーツを販売することを決めました。しかし、業界の常識に反した手法に協賛するテーラーはいません。そこで自らオーダースーツ専門店を開きました。
これが大ヒット。口コミで客が殺到するようになりました。もちろん顧客に受け入れられるために、品質は高級スーツと遜色ありません。独自に開発したオリジナルの200種以上の生地、日本と北京の自社工場、経験豊富なスタッフ、最新のCADシステムによる自動型精製機を使うことで格安での提供を実現しています。
イノベーション② ユニークな出店戦略
「服を売るなら人目に付く目立つところへ」というのが業界の常識ですが、SADAはその常識に反するように出店しています。SADAの店舗一覧を見てみましょう。
多くがビルがあえて2階以上に出店しています。1階とそれ以上の階では土地代が3倍以上も異なるため、扱っている商品のほとんどがオーダーメイドなので大きな店舗を持つ必要がないためです。
また、出店先のすぐ近くには大手スーツ専門店が存在しています。これは「大手が出店している周りにはスーツを求める顧客がいる」「店舗コストを抑えて購入価格を抑える」という佐田社長の考え方によるものです。
イノベーション③ 独自の宣伝方法
どれだけ良いものでも、知ってもらわなければ売ることができません。SADAは宣伝方法も少し変わっています。
スポーツチームへスーツ提供することで地元へ宣伝をしています。Jリーグのベガルタ仙台、名古屋グランパスや、プロ野球の千葉ロッテなど10以上のチームにスーツを無償提供しています。
スーツをかっこよく着こなす選手の姿はそのままSADAの宣伝になります。SADA の広告宣伝はただ安いスーツを売るためでなく、顧客に愛されるスーツを売るために有効です。ちなみに女子サッカーの澤穂希選手が引退会見で着用していたスーツもSADAのものだとか。
また、佐田社長自体が宣伝媒体となるように活動しています。
YouTubeには佐田社長が自らスーツを着て、富士山登頂とそこからスキーをする動画がアップされていたり、SADAの公式HPには毎日のようにブログがアップされています。
「オーダースーツは高いもの」という時代に安く売る、「出店は目立つ場所を選ぶべき」という時代にビルの2階以上を選ぶ、「宣伝費用はお金をかけて大量に」という時代にスーツの質がわかるように宣伝する。
いつの時代も成功者は常識にとらわれない。
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