20 脳とストレスの仕組みを活かして「しなやかマインドセット」を育てる子育て
こんにちは！Co-育て日記を読んでくださりありがとうございます。
子育てには悩みがつきものですが、子どもが挑戦を恐れず、前向きに物事を考えられる「しなやかマインドセット」を育むことができたら、子どもの成長はもっと楽しく、親自身も気持ちが軽くなりますよね。
今回は、「脳とストレス」の仕組みを基に、しなやかマインドセットを育てる子育て方法を具体的にお伝えします。
脳とストレスの仕組み
私たちがストレスを感じるとき、脳では以下のようなことが起こっています。
1. 扁桃体（感情の司令塔）が警報を鳴らす
ストレスがかかると扁桃体が「危険だ！」と警報を鳴らし、不安や恐怖心を引き起こします。これは私たちを守るための反応ですが、過剰に働くと行動を制限してしまいます。
2. 海馬（記憶と学びの中枢）が影響を受ける
長期間ストレスが続くと、海馬の働きが低下し、記憶力や学習能力が落ちることがあります。一方、適度なストレスは海馬を活性化し、新しい学びを促します。
3. 前頭前皮質（冷静な判断を司る部分）が抑制される
ストレスが強すぎると前頭前皮質の働きが弱まり、理性的な判断が難しくなります。これがイライラやパニックの原因です。
ストレスとマインドセットの関係
ストレスにどう反応するかは、「マインドセット」によって変わります。
• 固定マインドセット：
「ストレスは悪いもの」と捉えると、脳は危険信号を強く発し、恐怖や不安が増幅されます。
• しなやかマインドセット：
「ストレスは成長のチャンス」と考えると、前頭前皮質が活性化し、冷静に行動しやすくなります。ストレスが「敵」ではなく「味方」になるのです。
子育てで「しなやかマインドセット」を育む具体的な方法
1. ストレスを「成長の種」と伝える
子どもが緊張や不安を感じているとき、次のような言葉をかけてみましょう。
親の声かけ例
• 「緊張するのは、大事なことに一生懸命だからだよ」
• 「失敗は成長の第一歩だよ。次はどんなことを試してみる？」
脳の働き
• 扁桃体：ポジティブな声かけは、扁桃体の過剰反応を抑え、不安を軽減します。
• 前頭前皮質：成長の種として捉えると、冷静で前向きな判断を司る前頭前皮質が活性化します。
2. 小さな成功体験を積み重ねる
挑戦を細かく分けて、小さな目標を達成しやすくするのも効果的です。
具体例
スイミングで進級試験に落ちた場合、「次回の試験で25メートル泳ぐ」ではなく、
• 「まず5メートル泳げるようになる」
• 「次は10メートル！」
と段階的に目標を設定していきます。
脳の働き
• 海馬：小さな成功体験が「成功の記憶」として海馬に蓄積され、「またできるかもしれない」という自信を育てます。
• 基底核：繰り返しの成功体験が基底核に刻まれると、挑戦すること自体が自然な行動になります。
3. 成長過程をほめる
結果よりも、努力の過程に目を向けてほめることで、しなやかマインドセットを育むことができます。
親の声かけ例
• 「たくさん練習したから、泳ぎ方がきれいになったね」
• 「途中で失敗しても、最後まで諦めなかったのがすごい！」
脳の働き
• 報酬系回路（ドーパミンシステム）：努力を認められるとドーパミンが分泌され、意欲が高まります。
• 前頭前皮質：努力をほめられると、前頭前皮質が「次の目標」に集中しやすくなります。
4. 親自身が「マインドセットになる」姿を見せる
親自身が、失敗をポジティブに捉える姿を見せることも大切です。
具体例
料理中に焦がしてしまったとき、
「やっちゃった！でも次は弱火でやってみるね」と子どもに伝えると、失敗を恐れない考え方を自然に伝えられます。
脳の働き
• ミラーニューロン：親のポジティブな姿勢を観察した子どものミラーニューロンが活性化し、自然に同じ行動パターンを学びます。
• 扁桃体：親が失敗を楽しむ姿を見せることで、子どもの扁桃体も「安心感」を覚えます。
5. 感情を伴った体験を大切にする
成功体験や挑戦の喜びを一緒に分かち合いましょう。
具体例
発表会が終わった後、「緊張したけどやり切ったね！本当にすごいよ」と感情を込めて伝えます。失敗したときも「悔しいね。でも次に繋がるよね」と前向きな感情を共有します。
脳の働き
• 扁桃体：感情を伴う体験は扁桃体に深く刻まれ、次回の挑戦へのモチベーションになります。
• 海馬：ポジティブな感情と結びついた成功体験は、記憶として海馬にしっかり保存されます。
まとめ：脳を味方にして子育てを楽しむ
しなやかマインドセットを育むには、脳の仕組みを理解し、子どもが自然と挑戦を楽しめる環境を作ることが大切です。
• ストレスを「成長の種」と捉える考え方
• 小さな成功を積み重ねる経験
• 成長をほめる言葉かけ
これらを日常に取り入れるだけで、子どもも親も前向きに成長を楽しめるはずです。
次の挑戦も、一緒に楽しみながら成長を分かち合いましょう！
この記事が子育てのヒントになれば嬉しいです。次回のCo-育て日記もぜひお楽しみに！