
82 「学びの楽しさ」はどう変わる? 〜幼少期と学生期の違い〜
「勉強しなさい!」と言われると、子どもはやる気をなくす。
でも、好きなことに夢中になっているときは、時間を忘れて学び続ける。
学ぶ楽しさって、一体なんだろう?
どうすれば、「学ぶことが面白い!」と感じながら成長していけるのか?
最近、息子とリニア鉄道館へ行ったとき、ある気づきがありました。
学校で磁石の特性や電流について学んだばかりの息子は、リニアの超電導技術に大興奮。
「えっ?これ、学校で習ったやつと関係あるの⁉」と目を輝かせ、展示に釘付けになりました。
学びの楽しさは、「知識と体験がつながる瞬間」に生まれる。
そう改めて感じたのです。
そして、私は思いました。
「この学ぶ楽しさを、どうやって受験期の学生にも提供できるのか?」
幼少期の学び:「体験」との結びつきが鍵
幼少期の学びの楽しさは、「知識」と「実体験」がつながることで生まれます。
例えば、
✔ 砂場でダムを作ることで、水の流れを理解する
✔ 虫捕りをすることで、生物の生態に興味を持つ
✔ 磁石のおもちゃで遊びながら、くっつく・反発する仕組みを知る
子どもは、「学び」とは知らずに学んでいるのです。
この時期に大切なのは、
✅ 好奇心を引き出すこと
✅ ワクワクする体験を増やすこと
✅ 「これってそういうことか!」という発見をサポートすること
「なんで?」と疑問を持ち、それを自分で解決しようとするプロセスが、学びを楽しいものにする。
だからこそ、大人が「教えすぎない」ことも大切。
息子がリニアの超電導に興味を持ったとき、私はあえて**「どうして浮くと思う?」**と問いかけました。
すると、彼なりに考え、推測しながら学ぼうとする姿勢が生まれたのです。
学生期の学び:「パターン認識」と「成功体験」が鍵
一方で、受験期の学生にとっては、学びの楽しさの構造が少し変わります。
受験勉強は、幼少期のように「体験ベース」だけでは成り立ちません。
暗記や演習が必要なフェーズに入るからです。
しかし、ここで大切なのは、
✅ 知識を単なる「詰め込み」ではなく、「つながる感覚」に変えること
✅ 「解けるようになった!」という成功体験を積み重ねること
受験勉強を苦痛に感じるのは、
✔ 公式や単語を「覚えさせられる」から
✔ 「できるようになった!」という感覚がないから
だからこそ、学びを**「知識をつなげるゲーム」に変える工夫**が必要です。
例えば、
✔ 数学の公式を、なぜ成り立つのか?から考える
✔ 社会の歴史を「ストーリー」として捉える
✔ 英単語を「文脈の中で覚える」ことで、意味のつながりを感じる
また、「解けた!」という小さな成功体験を積み重ねることで、
脳の報酬系が活性化し、「もっとできるようになりたい!」というモチベーションにつながります。
どちらの時期にも共通して言えるのは、
✔ 「学びがつながる感覚」があると、もっと知りたくなる
✔ 「自分で発見する」ことが、学びの楽しさを引き出す
✔ 「できた!」という体験が、自信とモチベーションを生む
「学びの楽しさ」は、環境とマインドセットで変わる
受験勉強になると、「楽しく学ぶなんて無理」と思いがちですが、
学び方次第で「つながる快感」や「できる喜び」を感じることは可能です。
だからこそ、私たち大人ができるのは、
✔ 幼少期には「ワクワクする体験」を増やすこと
✔ 受験期には「知識のつながり」を意識させること
そして何より、
「学ぶことは面白い」と思えるような声かけや環境づくりをすること。
私は、学習者のメンタルに興味を持つ中で、
脳神経科学とメンタルトレーニングの親和性に気づき、そこにどんどんハマっています。
✔ どんな環境なら、脳は学びやすくなるのか?
✔ どうすれば、勉強をポジティブに続けられるのか?
その視点から考えると、
「学びの楽しさ」をどう育てるかが、受験期のメンタルサポートの鍵になると確信しています。
「学ぶって楽しい!」と思える子が増えたら、世界はもっと面白くなる
勉強は、やらされるものではなく、本来「知る喜びを感じるもの」。
だからこそ、
「これって、あれとつながるかも?」
「おっ、前よりスラスラ解けるようになった!」
そんな学びの快感を感じられる機会を、いかに作るか?
これからも、co-育てメントレを通じて、
「学びの楽しさ」を支える方法を探究していきます。