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16.【XXロード : 危ない隠し芸】

殺人ロードが危険な場所だと、まだ確信していなかった頃。
アタシは殺人ロードの近くにある駅に向おうとしていた。

駅の前にある道路を渡ろうと信号を待っていたら、轟音と共に空から白い物体が落ちてきた。
周りのアスファルトはボコボコ。
ブワッと舞う粉塵の中から現れたのは、SF映画に出てきそうな人型ロボットだった。

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ゆっくり立ち上がったと思ったら、両腕を左右に広げて構えた。
その瞬間、腕からマシンガンのような武器が現れて、振り回しながら辺りに乱射。
しゃがんで避けられたと思ったけれど……
ドンッと強い衝撃を受けて視界が真っ暗になった。

目を開けると、目の前にはさっきと同じようにゆっくりと立ち上がるロボットの姿が――

アタシは咄嗟に、近くの建物の影に隠れた。
耳を澄ますと、パラパラと粉塵の落ちる音は聴こえるのに、マシンガンを乱射するような音は聴こえない。

どこかへ行ってしまったのだろうか……。

そっと覗いてみると、ロボットはこちらに向けて左腕で支えた右腕を構えていた。

見なければ良かった……。

後悔する暇も無く、ロボットの右腕はロケットランチャーのように吹っ飛んできて、また視界が真っ暗になった。

恐る恐る目を開けてみると、やっぱりゆっくりと立ち上がるロボットがいた。
今度はしゃがみもせず隠れもせず、アタシは駅とは違う方向へ無我夢中で走った。
走って、走って、ついチラッと後ろを見てしまった。
ロボットは、模範演技のような美しいフォームで追いかけてきている。

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乱れることなく交互に前へ出される腕。
その左腕の外側が分解されるようにボロボロと取れた。
パーツが後ろへ吹っ飛んで行ったかと思うと、残った内側には鋭い光る物が……。

サーベルのような鋭い物をブンブンと容赦なく振り回してくるロボット。
夢の中のアタシは、振り向きながら器用に避けていた。

でも、ロボットの一振りが服のボタンか何かに引っ掛かった瞬間、驚いたせいか脚がもつれて激しく後ろに転倒。
その衝撃なのかわからないけれど、ビクッと体が動いて目が覚めた。

これでもし起きていなかったら……
あのロボットは後何回、危ない隠し芸を披露していたのだろうか。


別サイト初回掲載日:2010年 12月22日


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