買上点数UPの強い味方、レジ前商品

こんにちは、（株）ワシントン靴店 商品部長の北川純子です。今回は、わたしが服飾雑貨バイヤーとして、密かに力を入れている、レジでもう1点買っていただく商品について、書きたいと思います。

話は24年前のイタリアにさかのぼる

大学4年生の2月、卒業旅行でイタリアに行きました。有名な美術館に行くと、入り口の前で長蛇の列。スマホもない時代なので、ひまです。そんな人のために（？）露天が出ていました。そこで買ったのが風船人形。水風船サイズの小さな風船の中に小麦粉が入っていて、目が付いています。それを、もみもみしたり、つぶして変な顔にしたりして遊ぶものです。なかなか面白いので、すっかり気に入り、大切な旅のお供になりました。こちらが、当時の様子です。待ちすぎてイライラし、ものすごいスピードでもみもみしているのが分かります。（肝心の風船人形が見えない･･･）

衝撃の再会

あれから19年が経った、5年前。わたしは商品部長のかたわら、服飾雑貨バイヤーとして、靴下やバッグ、帽子やストールなど、靴と相性のよさそうな商品の仕入れをしていました（今でもしてます）。そして、ある取引先の展示会で、あの、風船人形と再会します。そのときの興奮したこと！今でも鮮明に覚えています。イタリアでしか売ってないと思っていた相棒に、何年も経って、しかも日本でまた出会えるなんて！（ちなみにタイ製でした。）
もう、仕入れたくて仕方がありません。この楽しい商品を、我が社のお客様にも知って欲しい、もみもみしてストレスを解消して欲しい。でも靴に全く関連がありません。葛藤の末、権力を使うことにしました。わたしは商品部長です。強行突破で、大量に仕入れました。さて、どこに陳列しよう？

レジ前デビュー

陳列場所に困ったので、店舗に事情を説明し、レジの前に置いてもらうことにしました。カラフルな風船人形たち、一気にレジがにぎやかになりました。レジでお会計を待つお子様たちの目に止まり、お母さんにおねだりします。あっという間に、爆発的大ヒット商品となりました。ボケ防止に、と、お年寄りにも人気者になりました。さすがわたしの相棒です。

↑　店舗も、靴 以上の力の入れようです。未だかつて、靴に「お待たせしました！待望の再入荷！！」と爆弾囲いのPOPを付けたことがあったでしょうか。
こうして、レジ前商品に味をしめ、今でも新たなヒット商品を探し続けています。

レジ前商品　3箇条

これまで、数々のレジ前商品を仕入れてきました。失敗もありました。この5年間の経験から、成功するレジ前商品の鉄則が見えてきました。

1、お子様の気を引こう
2、悩まず買える価格にしよう
3、流行を取り入れよう

この3箇条で成功した商品は、
・ハンドスピナー（覚えていますか？懐かしいですね。）
・ハンディファン（今ではすっかりおなじみの夏の定番、小さい扇風機です。猫耳がついていて、7色に光ります。）
・カラフルウォーターバルーン（こちらも夏の定番。水風船が一気に111個作れます。）
・ディズニープリンセス はがせるマニキュア（あまりにも売れるので、今ではレギュラーの棚に仲間入りしています。）

などなど。どれも靴屋に、まったく期待されていない商品です。そんなレジ前商品は、既成概念にとらわれず、自由な発想と、遊び心が大切です。
Paradeに靴を買いに来たのに、ついつい、ついでに買ってしまう、そんな楽しい商品を、これからも追い続けて行きたいと思います。
（いやいや、靴をもっとがんばって･･･。）