都内で子育てするなら中学受験させたらいいのか? Part2
〜Part2 実質倍率(入りやすさ)の点から検討する〜
Part1で、男女別x中学受験別x高校受験別での偏差値分布を見てきました。
Part1の結論としては、以下のようにおいてます。
1.中学受験の方が全体的に偏差値は高め
2.女子は私立の中高一貫校比率が高めで、絶対数としても偏差値65までの高校に入りたいのであれば、中学受験したほうが絶対数も多い
3.男子は女子よりも中高一貫比率が少なく、偏差値◎以上の高校に入りたければ中学受験の方が絶対数も多い、ということもない。
Part1の分析について詳しく確認したい方は下記をご参照ください。
Part1:都内に存在する公立・私立・国立(中高一貫・高校併設・高校のみ)それぞれの偏差値分布から考える
→男女それぞれの子供がいる私の結論は以下です。
・女子はちょっと適性とか見て中学受験も検討したほうがいいかな。。
・男子は子供によっては中学受験のときに十分脳力が発達しない子もいると聞いた事があるし、偏差値だけでみたら選択肢も中学受験しないと狭まる訳でもないから、まあそのときになって本人の意思とかも確認して決めれば良いかな。
上記結論が出た事で、今度は中学受験・高校受験それぞれでの入りやすさ、という点について見ていきたいと思います。
Part1でみてきた結論を更に補強するものになるのか、違った結論になるのか。。
尚、ここでの分析は以下のように行なっています。
1.倍率のデータは19年度の実質倍率かつ私立は基本的に1回目の受験倍率を参照。
ちなみに、今回調査にあたり色々ネットで情報をみていたのですが、市進学院さんのデータがとても整っていて何度も助けられました。ありがとうございます。
都立高校倍率一覧:
http://www.ko-jukennavi.net/wp-content/uploads/2020/01/385f81039f46a8fe79444aa6f37a2b38.pdf
私立高校倍率一覧:
http://www.ko-jukennavi.net/wp-content/uploads/2019/06/f34fb882c3ba12baf243ea733ba69fa3.pdf
私立中学女子倍率一覧:
http://www.chu-jukennavi.net/pdf/sokuho19/tokyo/tokyo_sj20190318.pdf
私立中学男子倍率一覧:
http://www.chu-jukennavi.net/pdf/sokuho19/tokyo/tokyo_sd20190227.pdf
私立中学共学倍率一覧:
http://www.chu-jukennavi.net/pdf/sokuho19/tokyo/tokyo_sk20190318.pdf
国公立・都立中高一貫は各学校の19年度結果を確認
2.同じ偏差値分布の各高校について倍率を算出し、平均値を算出
google spread sheetで色々計算したので元データは別途リンクを貼ります。
では、早速分析結果に参りましょう。
中央値の倍率は、中央値までの学校に入るための平均の倍率(偏差値65であれば、偏差値65までに含まれる学校それぞれの実質倍率を対象校数で割る)で算出しています。
まずは女子から。
▼高校入試の実質倍率まとめ(女子)
▼中学入試の実質倍率まとめ(女子)
高校受験全体の倍率は1.78倍、都立だけでみると1.51倍、私立が2.08倍、国立が2.54倍です。
中学受験全体の倍率は2.88倍、中高一貫校が2.15倍、併設校が2.36倍、公立一貫校が6.65倍です。
全体的に、中学受験のほうが倍率は高いです。
中学受験の中央値66の倍率は中学受験全体で2.25倍、高校受験全体だと1.84倍です。
都立受験は各中学の進路指導で出来るだけ受かりそうなところを進めているから、過度な倍率にならないようになっている、という側面もあるとは思うのですが、私立だけでみてみても、「入りやすさ」の尺度でみると高校受験のほうが倍率が全体的に低いです。
あと、高校によって中学から入るときと高校から入るときで倍率が違います。
(例えば慶應・早稲田に入りたいなら中学の方が倍率低い、明治・青山は高校のが倍率低い)
この辺も興味がある方は、別途スプレッドシートでみてみてください。
ちょっとこの分析をしながら都立中高一貫校の位置づけが謎になりつつあります。
倍率は圧倒的に高いものの、同位くらいの偏差値目線でいうと、高校受験で同程度の偏差値高校を目指した方が倍率は低い。
進学率が同程度の偏差値の都立と比べて圧倒的にいいとか、リーダーを育成する、みたいな教育方針、あとは中高6年間は伸び伸び育てたいけど私立は、、みたいな部分で人気なのでしょうか。
下記都のページをみてみても、差別化していく理由がちょっとわからないのですよね。
全ての都立中高に特色ある生きる力を伸ばすような教育を、という方針のほうが何となく安心するのは私だけでしょうか。。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/secondary_school/about.html
話がそれましたが、中学受験・高校受験共に倍率的に必ず誰もが希望するところに入れるような数値ではありません。
第一志望があって、それより落とした滑り止めを受けるにしても、両方受かるかわからない、絶対安全ではない分布です。
ただ、中学受験の方がより倍率は高く、高校受験の方が倍率は低い。
選択肢としては中学受験の方が多いものの、この倍率の差は少し考えさせられます。
次に男子。
▼高校入試の実質倍率まとめ(男子)
▼中学入試の実質倍率まとめ(男子)
高校受験全体の倍率は1.83倍、都立だけでみると1.62倍、私立が2.03倍、国立が2.67倍です。
私立を除いて、女子より若干倍率が高いです。
中学受験全体の倍率は2.99倍、中高一貫校が2.44倍、併設校が2.40倍、公立一貫校が6.65倍です。
こちらも、女子より若干倍率が高いです。あと、中学受験について中高一貫校と併設校の倍率の差が小さい事も特徴的です。
あと、これもスプレッドシートを確認いただくと分かるのですが、男子の場合、私立でみると併設校に中学受験で入るよりも高校受験で入った方が倍率が全体的に低いです。
(開成、早稲田、巣鴨、桐朋、明治とか)
ということで、受験できる絶対数分布と、実質倍率という入りやすさでみた結論です。
女子:絶対数でみると選択肢は中学受験のが多い。でも倍率的には高校受験のほうが低い。
その子の個性とかで積極的に情報収集はして、本人やる気なら考えてみても良いかな。
でも、しなくても大丈夫かな。
男子:絶対数も倍率も高校受験のほうが多いし入りやすそう。
なんか部活動集中させたいとか、中高一貫校で特徴的な教育を受けさせたいとかでなければ
積極的に考えなくても大丈夫かな。
あと、中学受験するとしても、公立中高一貫校一本狙いはよっぽどその公立中高一貫校の理念とかに思い入れがなければ選択しないかも。
ちょっとPart3で、高校受験・中学受験対象校の進学実績を確認するまでは、断定的なことはいえないですが、Part1/2の結果を見て思うのは、偏差値だけで中学受験をしたほうがいい、ということはないなということ。
人生100年時代、日本の国力が相対的に下がって行く中でどう生き抜いて行くか(その方法がサバイバル的ながむしゃらではなく、先代達が積み上げてきた日本のよき資産を活かした楽しいものであってほしい)というところが大切で、その手段とか、吸収力の高い時期を何に時間を使ってくか、という問いなのかと思います。
ということで、折り返し時点、Part3では進学実績についてもみていきたいと思います。
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