34本目「無名」【ネタバレなし】
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映画についての基本情報
公開日:2024/5/3
監督:チェン・アル(中国)
中国・汪兆銘政権の政治保衛部に所属するフーは、中国共産党の秘密工作員だった男ジャンの身辺調査を行う。フーは中国国民党に転向するというジャンから共産党幹部の情報を聞き出すことに成功する。1941年、上海に駐在する日本軍スパイのトップ・渡部は、政治保衛部の主任となったフーやその上司タンと日本料理店で戦局について話す。フーの部下として働くイエは、友人ワンとともに諜報活動に従事していたが……。
まえがき
この映画を見に来たことに特に理由はない。
トニー・レオンは割と好きな俳優だし、アクションもありそうなので…位。
ところが、映画館に行ったら驚いたのなんの。
狭いシネマートのロビーを埋め尽くす人、人、人、それも女性。
老若幅広い女性が、大挙してあの雑然とした空間にいるのだ。
「トニー・レオンとはこれほどの人気であったか」私は嘆息した。
どこから入ったのだ?「恋する惑星」?「シャン・チー」?
勘違いに気づいたのは飲み物を買う段になってからである。
今回のシネマート新宿コラボドリンクは「無もなきメロンソーダ」。
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メロンソーダの何が名も無きなのかわからないが、とにかく、このソーダを頼むとシールがもらえる。本作W主演のトニー・レオンもしくはワン・イーボーのシールだ。
重要なのは、このシールはどっちか欲しい方を選んで受け取るという点だ。
私?もちろんトニー・レオンだ。
ところが劇場のご婦人方は違った。口をそろえて「ワン・イーボー」。
そう、彼女たちのお目当ては若いイケメン、ワン・イーボーの方だったのだ。
そして入場特典はポストカード。
トニー・レオンとワン・イーボーの二択で、しかし今度は選べない。
トニー・レオンが当たったご婦人が、交換してくれる人を求めて劇場内をさまよう光景が目に入ったものである。
私はワン・イーボーが当たったが、別に交換を申し込まれたわけでもない。
そのまま持って帰ったよ…。
という、とりとめのない前書きであった。
感想など
映画自体はどうであったか。
正直、合わなかった…。
出来自体は悪くない..はずなんだけど、難解で辛い。
時系列のシャッフルが頻発し、そしてセリフでの説明をできるだけ拒むスタイルが理解を困難にする。BGMが少なく、静まり返った映画館に、男女の寝息が木霊する…。
もちろん、映画の主題は明確で絵面も美しく、複線もきっちり巻き取られるのだが、いかんせんそれまでが長い。カタルシスが始まるまで90分、暗く変化に乏しい絵面と言葉を選んだ会話が続く。ちょっと辛い。
もう一点、日本人にとっては辛い点もある。
このストーリーは日本軍侵攻時代の上海を舞台にしてるので、当然ながら日本語話者が登場する。その日本語が怪しいのに、字幕がないのだ。聞き取れない…。
総じて、魂は入ってるのだが惜しい映画だった。
ペーパーお勧め度
★2.5。
やりたいことはわかるし、絵面もビシッとしてるし、演技の質も高い。
だけどちょっと難解すぎるね…。
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