100本目「ACIDE アシッド」【ネタバレなし】
※本文は全て無料です。
公開日:2024/8/30
監督:ジュスト・フィリッポ(フランス)
まえがき
どうでもいいが、100本である。
今年が始まってから見た映画が、100本である。
どうでもいいので、特に100本記念の映画とかではなく、単純に今週封切の映画を観に行った。
昨今、令和に入ってからこっちの気象のせいか、異常気象を扱った映画の説得力は増している気がする。この日観に行った映画は二本とも異常気象ものだった。(もう一本の「エルダー/増殖」は別noteにて)
「酸性雨」ってのは私が小学生くらいからずっと言われてて、しかしなんだか軽視されている異常気象のような気がする。一番恐れられている影響は「禿げる」とかかなぁ。しかしその字面をよく考えると十分に恐ろしい。
「酸の雨」。ありそうで、しかし過去の映画にあったかと言われるとちょっと思いつかない。目の付け所としてはかなりいいと思ったので、毎度のごとく劇場へ向かった。
そして、毎度のごとく中身のないまえがき…。
感想など
酸性雨の描写は良かった。舞台装置としては上々。
あらゆるものが消耗品と化し、安全な逃げ場所が存在しなくなる感じはよくできていた。
ストーリーとしてもキャラクターの動機や行動には破綻がなく、安定感はある。おかしなところはない。おかしなところはないが、ストーリーが結構たまる筋書きではあった。これはキャラクター造形への好みの問題だと言っていい。
基本的な構成は父親と娘が酸性雨から逃げながら移動するロードムービー。
この父親と娘、どちらにも人間的な欠陥がある。
父親は個人的な目標のために進路を決めるし、自分と娘の生存のためには手段を選ばない。他人の家に押し入るわ、助けてくれた人を見捨てるわ。
しかし、その判断は(自分たちの生存のためだけなら)的確で、迷いもない。現にそれで助かってる。
観ていてヘイトが溜まるのは娘の方。
一時の感情に流されて自殺行為に走ること一度ならず、父親の制止も聞かずに飛び出してはトラブルを招き、助けを求めて叫ぶだけ。自力では何も解決できないし、しない。しかも、「ありがとう」も「ごめんなさい」も父親に言わないのだ。体を張って助けてもらってるのに。何を思ってこんな造形にしたのだろうか?
父親は自分の行い(身勝手な目標設定や非情さ)の報いを受けたと思うが、娘の方はノーダメージで結末を迎えたように見える。ちょっとスンナリとは呑み込み辛い造形・展開であった。
ペーパーお勧め度
★3。
「ありそうな恐怖」という観点ではよくできているが、とにかく登場人物へのヘイトが溜まる。リアリティがあるといえばあるのだろうか…。
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