105本目「ランサム 非公式作戦」【ネタバレなし】
※本文は全て無料です。
公開日:2024/9/6
監督:キム・ソンフン(韓国)
まえがき
またしても韓国映画の「事実に基づく」シリーズである。
最近多くない?気のせいか。
とはいうものの、予告編からして先週末の「ソウルの春」とは空気が全然違うので、単なるアクション映画として観られそうな感じであった。
いつの時代の「事実」なのかも予告に書いてないし。
というわけで、結構気楽な気分で観に行ったのであった。
韓国映画の明るいアクションは最近あんまり見てない気がする。
(今月末には「犯罪都市4」という「明るいアクション」の大玉が控えてはいるのだが…)
感想など
うーん。いろんな意味でうーん。
まず、「気楽な気分で観に行った」の部分。
うーん、これ、「ソウルの春」からそんなに離れてない、いわゆる「ハナ会」政権時代の「事実をもとにした」映画じゃん…。
映画自体のノリは明るめに作ってあるものの、根底に流れているのは「人権軽視の軍事政権のやり口批判」みたいなベタ重なテーマ。これは気楽な気分じゃないぞ…。これはどちらかというといい点なんだが、映画全体のトーンが不統一で戸惑いが強い。
次に、映画自体のデキの話。
何というか、ちょっと荒いかな…。
終始展開がシリアスで、結構重大な決断を強いられることになる割には動機づけの描写がショボい。「嫁さんに怒られたから」ってのはズッコケたわ。
そして登場人物の能力描写も安定しない。単なる外交官で、兵役も「売店で働いてた」程度の主人公が日夜ドンパチやってる民兵と渡り合ってるのはどうなのよ。タクシー運転手でしかないやつが、拳銃で数十メートルの距離を狙撃するのはどうなのよ。ちょっと違和感が強い。
ま、ほとんど好みの問題かもしれないが、この辺の描写のぶれは結構気になった。
ペーパーお勧め度
★2。
重いテーマのわりに軽い描写を選択したのだが、それが上滑りしてる感が強い。ラストシーンのような重厚な表現を選択してくれた方が、個人的には好みだったかな…。
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