109本目「シュリ デジタルリマスター版」【ネタバレなし】
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公開日:2024/9/13(製作は1999年)
監督:カン・ジェギュ(韓国)
まえがき
今年は韓国映画をよく見ている。
本数は数えていないが、多分総本数の4割近くは韓国映画ではなかろうか。
参考までに、去年映画館で韓国映画を観た本数は1本(「トンソン荘事件の記録」)だけだ。
ミニシアター、というかシネマート新宿を中心に、評価の高い韓国映画がポンポンと輸入されているのが原因であろう。特に、今年はハリウッドのアクション大作が少なかったりするし。ストの影響で。
その韓国映画の評価が今ほど高くなかったころ、日本で知られてなかったころの映画で、それでも名前を聞いたことのある一作が「シュリ」だ。
当時小学校低学年の私は当然ながらこの映画を観てないが、それでも名前だけは憶えていた。
が、この映画、どういうわけか観られなかったのである。
いや、観ようとしたわけでもないのだが、「名作」と名高い割にはどの配信サービスにも出てこないし、そもそもあんまり話題に乗ることもない。つまりテレビなんかでもやってない。版権の問題等があったそうな。
そんな過去の「名作」が再上映されるとなると、とりあえず行ってみるほかあるまい。そんなざっくりした心持で映画館に向かったのであった。
感想など
うん、まぁ、今見ると普通、かな。
最初に言えることは、この映画は結構同時代性が強いということ。
1999年~2002年の日韓ワールドカップくらいの、南北朝鮮の融和機運、それをバンバンニュースでやってた感じを覚えてるかどうかで、結構没入感が変わると思う。
それをさておくと、この映画は結構シンプルである。
国家間、情報機関間「ロミオとジュリエット」。マジでそんな話。
シンプルな構造と脇役に気を配ったキャラクター造形が売りの作品だと思う。「主人公一人では解決できなかった」という造形は良かったかな。
造りとしては、今日の韓国映画よりも、より香港ノワールに近い空気を感じた。かったるい会話シーンで溜めて、溜めて、アクションシーンをドバっと一気にぶちまける組み立てはジョニー・トーの味がする。
ただし、やっぱり粗削りな面は否定できない。
CTXの設定(見た目は水なのに、起爆させようとするとデジタル画面が出てくる)は違和感しかないし、あとアクションシーン画面作りが特に顕著。ゆれ過ぎていて、何をやってるのか全然見えないシーンばかり。
総じて、やりたいことはわかる映画であった。
ただし、現代の水準ではないかな。
ペーパーお勧め度
★2。
30代、できれば後半以上でノスタルジックな雰囲気、当時を思い出したい人は見る価値あり。若い人や純粋にアクション映画が観たい人にはお勧めできない。酔う。
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