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[読書感想文] 世界でいちばん透きとおった物語2
おもしろすぎたために、関係者でもないのにいろいろな人におすすめしている「世界でいちばん透きとおった物語」、なんとなく調べてたらその数日前に「世界でいちばん透きとおった物語2」が出ていたことを知った。
って、2!?まさか続編が出るとは。あれの?どうやって2を作るんだ?気になりすぎる。
しかも1はやっぱり電子書籍版はないのに、2は電子書籍版がある!?じゃあアレではないってことか。
でもそうすると何が透きとおるんだろうか。
ということで気になりすぎたのですぐ通販して、読み始めたらやっぱりアレではなかったけど、普通に面白かったのですぐ読み終わってしまった。
まあ、アレに比べたら普通に近いミステリーになってたけど、それでも面白い本を読めたという読後感は強い。というか、ちゃんとしたミステリーというか。でも「世界でいちばん透きとおった物語2」ではないような、でも登場人物が同じだから2で問題ないというか、なんか複雑!
・ミステリーとは
今作のテーマ「ミステリーとはなんなのか」についての登場人物の葛藤や考え紹介が色々面白かった。
「求められているのは驚かせるのと同時に納得させることです。これはほんとうに難しいんです。」
驚かせるだけだったら突然ページが空白になってたり真っ黒になってたり意味不明になってたりしてもいいし、実は犯人が超能力者でしたとか、このトリックは解けませんとかもやるのは自由ではあるが、それをやるのはただの下策であり、ミステリーとは言わない。
驚かせたあとに、それを納得させて初めてミステリーとして成り立つ、と。
確かに〜。散々小説読んできたけど、驚きだけで終わるものはそうそう無い… 気がする。
と言っても結局謎解きと納得がほぼ同時に起きるからそれぞれ単品で考えたことがないかも。トリック=驚き+納得という感じがする。
上記の、ページの構成がえらいことになってる小説は何度か読んだことあるけど、別にミステリーとは言ってなかった…と思うし。
そして中には納得できないものもあったから、そういうのはミステリーと言っているだけだけなんだろうな。
まあ、単に自分の理解度が足りてないだけというのも往々にしてあるけどな!
そして探偵役が編集者だったというのを完全に忘れていた。前作は名作だったけど、仕掛けだけが記憶に残っていて、ストーリーは正直ほぼ覚えていないのでまた読まなきゃ。
あとは地味に「世界でいちばん透きとおった物語」そのものを主人公が書いてそこそこ売れている世界線になっているけど、ちゃんと「テロリストのパラソル」とかエラリー・クイーンとか有栖川有栖とか、現実世界の作品や作者も出てきてて虚構と現実が混じっているのがまた良い。