目をつぶる
愛しの娘へ。
毎日一生懸命に生きていると疲れることがある。
そんな時に使える一つの習慣を教えよう。
ポール・ゴーギャンを知っているかい?
彼は印象派の画家だ。
彼には目をつぶる習慣があったそうだ。
画家なのに目をつぶるとは
変な習慣だと思うが
彼は目をつぶることで絵を描いていたそうだ。
「私は見るために目を閉じる」
という名言を残している。
目を閉じることで、目の前に広がる
定義しにくい無限の空間の中の夢を見るそうだ。
彼は人を描く時に、外見をうまく描こうとはせず
その人から受けた印象を描くことを重視したらしい。
僕はこの話を聞いて
現在ではポピュラーになりつつある瞑想と似ていると思った。
瞑想は目をつぶって
呼吸に意識を集中することで
リラックス効果などを得る習慣のひとつだ。
ゴーギャンは1850年代にすでにこの習慣を取り入れていたのだ。
今となっては瞑想のエビデンスなどが解明されてきているが
ポール・ゴーギャンはおそらく科学的な根拠などは全く意識せず
習慣化していたのではないかと思う。
このような習慣を感覚的にやっていたのだと思うと
先人たちに凄みを感じる。
僕は君にこの瞑想を習慣化して欲しいと思う。
毎日の精神的な疲れに効果があり
ストレスにも強くなれる習慣だ。
時間をたくさんとることができなければ
数秒間だけ目を閉じるだけでも
α波などの心理効果のある脳波を出すことができる。
人は視覚からの情報がかなり多い。
情報が多いということはそれだけ脳に負荷がかかる。
つまり、目をつぶることで脳を休ませることができるのかもしれない。
情報過多の現代社会。
SNSだけでなく、多くのニュースサイト、動画コンテンツなど
視覚からの情報だけで脳がパンクしそうになることがあるかもしれない。
そんな時は少し目つぶって
呼吸や内側から感じる思いなどを意識してみよう。
昔を生きたポール・ゴーギャンのように。