パパガッパ

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短編小説⑤天邪鬼

俺は自分の思いを素直に伝えられない いつだって反対のことをいっちまうのさ 仕事なんてしたくないけど 「がんばります!!」 だってよ、笑っちまうぜ 頭なんて下げたくないのに 「申し訳ありませんでした!」 だってよ、涙が出るぜ 心の底から許せないことだって 「いいよ、こちらこそごめんね」 なんて許しちゃうのさ、反吐が出るぜ こんなに心の優しい俺が なんで天邪鬼なんだ むしろ天使様だ、けれど 嫌いな上司も 優秀なあいつも 元気一杯の後輩も みんなみ

    • 夏休みの宿題

      毎年、この時期になると思い出すのは、大量の宿題と戦っていた頃の私だ。 小学2年生では、2学期の始業式前日に正座で読書感想文を書かされたことを覚えている。 小学4年生では、交通安全ポスターを泣きながら描いたことを覚えている。 小学6年生では、習字を1枚だけ書いて終わらせたことを覚えている。 あの頃は、宿題なんて早くなくなってしまえ。 なにが夏休みの友だ、お前なんか友達じゃない。 毎日ゲームをして、アイスを食べてだらだらしたい。 そんなことばかり考えていた。 令和

      • 短編小説④自由のうた

        ペタ ペタ ペタ ぼくは じゆうかいじゅうだぞ ペタ ペタ ペタ ふたつのあんよを じょうずにつかい ペタ ペタ どこへだって いけるのさ トッ トッ トッ ぼくは じゆうかいじゅうだぞ トッ トッ トッ はしりまわるのが だいすきさ でも トッ トッ トッ ジッとしてなさいって しかられる カリ カリ カリ ぼくは じゆうかいじゅうだぞ カリ カリ カリ ノートいっぱいに おえかきさ でも カリ カリ カリ まじめに べんきょう しなさいだって ぺちゃ く

        • おはようございます

          ツクツクボウシの鳴き声を聞くと、夏の終わりを感じる今日この頃。 朝の涼しい時間帯に散歩をすると、頭の中がとてもスッキリしますね♪ 最近ハマっていることがありまして、 寝起きと同時にラジオ体操第一第二をしています。 朝の目覚めと、身体のストレッチに効果的です。 早起きは苦手な性分でしたが、やることを1つ決めたら自然と目が覚めるようになってきました。 そして散歩をしながら、noteに書くことのアイデアを練っています。 毎日どんなに忙しくても、1回は投稿していこうと決

        短編小説⑤天邪鬼

          短編小説③燃えるゴミの日

          明日は燃えるゴミの日だ。 私は家の中にゴミ袋を置きたくない。 生ゴミは臭いし、家の中に置いたままだとゴキブリが出るかもしれないからね。 明日の朝、出勤に合わせてゴミ出しできるように玄関の前に置いておこう。 外は雨が降っていた。このままだと、ゴミ袋が濡れてしまうが、家の中に置いておくよりかはマシだ。 朝になった。 高齢の夫婦が行方不明になってるとニュースでやっていた。家の中が荒れているが、誰もいないらしい。 よく見たら、うちの近所じゃないか。物騒だなぁ… そう思いなが

          短編小説③燃えるゴミの日

          短編小説② クレーム

          「このパスタ、すっかり冷めてるじゃないか!」 「コップの中にコバエが浮いてるぞ!」 「箸がベトベトする!」 「まずい、こんなものに金なんて払えるか!」 俺は普通のサラリーマン。 まったく、世の中の飲食店なんてどこも大したことない。客を何だと思っているんだ。 金を払ってやるんだから、客が満足できるようにもてなすのが普通だろう。 さて、今日も1日疲れたなぁ。 お、駅前に新しいハンバーガー屋ができているじゃないか。寄ってみようじゃないか。 「いらっしゃいませ!………あの

          短編小説② クレーム

          目的が行方不明

          今日の午後は、IKEAに行く予定だ。 久しぶりに行くことが決まり、嬉しくなってつい、友人に話をする。 「明日、IKEAに行くんだー。」 「何しに?」 言葉に詰まる。確かに、何が目的なんだろう。 必死に理由を考える。 そういえば、ピザカッターが欲しかった。 いやいや、ピザカッターくらい100均で買える。 もはや、IKEAで何かするのが目的ではなく、IKEAに行くことが目的になってしまっているのかもしれない。 同じような事例を、私はよく経験している。 家でバーベキュー

          目的が行方不明

          短編小説①嘘つき

          「いいかい、ぼうや。正直な人になりなさい。嘘をついてはいけないよ。」 お母さんが、毎日子供に言い聞かせた。 「ママ、嘘をついたらどうなるの。」 「悪い人になって、幸せになれないよ。」 少年はお母さんの言いつけに従った。 どんなときでも、自分の心に正直だった。 少年は大人になった。 彼の正直な言葉は多くの人を傷つけた。 彼の正直な行動はいくつもの法に触れた。 彼の元には、何も残っていなかった。 友人、恋人、家族でさえも。 彼は、死ぬ間際に呟いた。 「ママが一番

          短編小説①嘘つき

          モーニングの語源

          早朝5:20。半年ぶりのアラームで起こされ、素早く身支度を済ませる。家を出るのは6:30。前日に準備を済ましておかなかったことを後悔しながら朝シャンを浴びる。 今日は久しぶりに友達とモーニングに出かける。 モーニングは、愛知が発祥と言われている。 小さい頃から当たり前のように、喫茶店では無料のトーストとゆで卵が付いてきた。 ドリンクのついでに、付いてきたものが、今やそれが主流となっていることに、時代の変化を感じずにいられない。 モーニングという言葉が和製英語であることに気

          モーニングの語源