短編小説⑤天邪鬼


俺は自分の思いを素直に伝えられない


いつだって反対のことをいっちまうのさ




仕事なんてしたくないけど

「がんばります!!」

だってよ、笑っちまうぜ



頭なんて下げたくないのに

「申し訳ありませんでした!」

だってよ、涙が出るぜ



心の底から許せないことだって

「いいよ、こちらこそごめんね」

なんて許しちゃうのさ、反吐が出るぜ



こんなに心の優しい俺が

なんで天邪鬼なんだ

むしろ天使様だ、けれど




嫌いな上司も

優秀なあいつも

元気一杯の後輩も


みんなみんな天邪鬼だ

今の時代本当のことを言うのって

正直に言うことより難しいことなんだな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?