「母校に錦を飾る男の物語」
何十年ぶりだろうか。
高校生でバスケットをはじめ、社会人チームを結成、そして解散。あれから30年くらいの月日が流れたのだと思う。
突然、バスケットを再開したくなった。その理由は定かではないがスラムダンクの映画公開の影響はかなり大きいと思う。また映画を観て新たにバスケットを始める人も増えたそうだ。まだ僕は未鑑賞やけど。
本日からバスケットボールの練習に参加させていただける事になったのだ。昨今、運動という運動をしておらず、食っちゃ寝と読書中に意識がなくなるという悪行三昧を繰り返している規則正しい生活。目覚めた時に登場人物に対して「あんた誰やっけ」と問いかけることが多々あり、何度もページを戻るばかりである。
肝心のバスケットのプレーについてはTicTokでスラムダンクの湘北高校の流川楓のプレーを目に焼き付けてイメージトレーニングは完璧にした。もしかしてダンクも出来るんちゃうかというくらいまで根拠のない自信がついたほどだ。しかしTikTokでスラムダンクを見過ぎたせいか、驚くほど大量にスラムダンク関連の動画が流れきて私生活に若干混乱をきたしいる今日この頃である。
体力的にも大いなる不安を抱えていたが、自宅を出発前にもりもりにしたプロテインを牛乳でリズミカルに躍るようにシェイクした結果、これでもかというくらいに泡立って増量したプロテインを一気に飲み干した。僕の不安は腹痛のみとなったのである。
実はバスケットの練習場所は母校の中学校である。体育館に向かって歩きながら校舎がとても小さく感じた。そして走馬灯のように頭の中に中学時代の思い出が蘇ってくる。何と言えばよいのだろうか。何だか甘酸っぱい気持ちだった。風景が柑橘の色に変わるかのような。恋の話は別の機会にするとして先をいそぐ。
バスケットボールの練習がスタートした。
「流川!流川!流川!」
自分を鼓舞しながら、コートを駆け抜ける。
「ん?体がめっちゃ重ーい」
「いかん!足が上がらん」
「もう!もう!内股が筋肉痛!」
「やばい走られへん!」
「シュートも入らん!」
「あんなに流川の動画を観たのにやー!」
屈辱という文字がサブリミナル効果のように僕を煽ってくる。
「心も体も完全にゲームセットやんけ」
心は折れてもゲーム形式の練習は待ってくれることなどありゃしない。
時間は流れるが相変わらず体がついていかない状況はしっかりと継続し、シュートも入らないまま。
そして相手チームのプレイヤーと接触。僕の体は力負けして後方へ美しく吹っ飛んだ。まるで水揚げされたマグロのようにコートをスルスルと滑っていくようだった。天井を見ながら僕は思った。
「俺って受け身上手いなー」
「天井の電気も明るいわー」
そんなこんなで怪我もなく、練習を終えた自分を褒めてやりたいところだが、あえてそれ以外で本日の良かったことをあげるとすると、大量摂取したプロテインによる腹痛に打ち勝ったことだと思う。しかしその代わりに練習中に大量摂取したポカリスエットのおかげで現在もトイレに行く回数が倍増している。
何よりも母校でバスケットボールができる事がしあわせだ。誘ってくださった友人、新しい仲間たちに感謝の気持ちでいっぱいです。これから流川楓のようになれるよう頑張ります。
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