「そりゃもう車内はドリフの大爆笑」
アウトドアイベント開催の為、早朝の電車に乗り込んだ。大阪難波駅という「なにわ感満載」の駅から、近鉄線に乗り換える。気候が良いことも相まって、奈良方面に向かう電車にはハイキングや登山を楽しむ人々が多く乗車している。
昨晩、僕は念願の古民家に移住して悠々自適な生活を望んでいたが、その古民家の階段や物置などのあちらこちらで幽霊と遭遇する純日本的ホラー映画のような悪夢を見たせいで今朝の目覚めは最悪だった。寝不足に完敗してしまった僕は電車に揺られ、幽体離脱するかのようにふらふらとした意識を網棚の上に預けていた。そしてもう少しで白目を剥いて夢の中へ滑りこうもうとしている、所謂一番気持ちの良いタイミング。例えると赤ん坊が食事中に、ご飯を食べながら睡魔と戦い、首と意識がぐらぐらになってしまうような状態に類似している。
するとある駅から勢いよく3人のカラフルでスポーティーな服装の女性たちが乗車してきた。明らかにハイキングに出かけるような出立ちである。チームおばちゃんは車両の最後尾の座席エリアを陣取った。発車した奈良へ向かう電車と3人のおばちゃんの会話のスピードは一気に加速し始めた。
僕の意識が朦朧としていることもあり、おばちゃんたちの会話の詳細までは聞き取ることは出来ない。しかし次第に僕の鼓膜を盛大に揺さぶる大きな笑い声が届いてきた。まるで掛け合い漫才のようなテンポの良いおばちゃんたちの笑い声が三角パスのようにクロスしながら、さらにボリュームを最大化していく。
「あーはっはっはー」
「うわぁーはっはっはー」
「ほんまに!はっはっはー」
この笑い声はどこかできいたはずたか。
「そうかドリフの大爆笑やん」
その笑い声は僕の耳と朦朧とした意識をつん裂き、昨晩の古民家で見た悪夢以上のプレッシャーを浴びせてくる。僕のすこやかな眠りを根こそぎ刈り取ってしまうようなおばちゃんたちの攻撃に全身がピクついた。おばちゃんたちのドリフの大爆笑的は笑いは永遠と続き、眠ることの出来なかった僕は目的の駅で下車した。
アウトドアイベント終了後、大阪に難波駅に向かう電車に飛び乗った。前日の寝不足とイベント終了の充実感を噛み締めながら、絶対に仮眠をしようと心に決めた。
ふと何気なく前の座席を見ると3人のおばちゃんたちが座っている。朝とはキャラクターの異なる、少し大人しめのおばちゃんたちだ。
「今回は寝れそうや」
人生はそうそう甘いものではなかった。今回のおばちゃんたちとは距離が近く、会話の全貌がクリアに聞こえてくる。ドラマに見る恋愛感について討議を重ね、その後にドリフの大爆笑的な大笑いを発声し始めた。止むことのないおばちゃんたちの大爆笑に完全に心が折れてしまった僕は心の中で呟いた。
「ダメだこりゃ!」
ある意味引き寄せの法則だと思って感心している。
〜パンくずよりも小さな事をカタルヒト〜
★パンヲカタル 公式ホームページ★
http://panwokataru.net/
★パンヲカタルFacebookページ★
https://www.facebook.com/panwokataru/
★『パンヲカタル Twitter』★
https://twitter.com/masakazu0801
★『パンヲカタル Instagram』★
https://www.instagram.com/masakazu0801
★パンヲカタルYOUTUBEチャンネル★
https://youtube.com/@panwokataru
★『パンと本とねこ Instagram』★
https://www.instagram.com/pantohontoneko0801
★『パンと本とねこ Facebook』★
https://www.facebook.com/pantohontoneko/
#パンヲカタル #パン王子 #浅香正和 #パンと本とねこ #本 #読書 #小説 #読了 #本好きな人と繋がりたい #パンくずよりも小さな事をカタルヒト