「人間ポンプを披露するならマスクは必須」
気分転換に本屋さんに行く事がある。気分転換といいながら、ほぼほぼ本屋さんかパン屋さんにいる事が多い。いっそのこと本屋さんに住みたいくらいである。本棚をベットにして、僕も陳列してもらえるとありがたい。
「今後どんな事をやりますか」
多くの方々から質問される事があり、決まって答えるのは
「私設図書館のような空間を作りたい」
「パンとコーヒーがあり、読書が日常」
「音楽と猫たちに癒される空間」
「小さな畑の採れたて野菜とおいしいパンで、日常にあるアウトドアを満喫したい」
「パンと人と出会う旅をしたい」
「スナフキンようになりたい」
もはや三行目の件あたりで、聞き手は白目を剥き意識が幽体離脱し始めている。
「勝手にしたらええやん」
そんな態度がありありと伝わってくる。
「ほんなら聞くなや」
とは言えずお構い無しに夢物語をぶちかますのだが。
昨日も本屋さんに行った。毎度、几帳面にあ行からスタートして本を探すルーティン。か行からスタートすると何故だか気持ちの収まりが悪い。本のリストを眺めながら、わ行に向かって順序よく足を進めていく。
「ゴホッ、ゴホッ!」
突然店内に響き渡るほど盛大な咳が耳に飛び込んできた。かなりの音量で激しさも兼ね備えている。
「ゴホッ、ゴホッ!ゴホッ!」
30秒ほど経過するとさらに激しさを増した咳が聞こえてきた。先ほどよりも距離も近づいてきているようだ。
「ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!うぇー!」
もはや咳だけではなく、えずいているではないか。勝手な想像が頭の中を駆け巡る。
「人間ポンプで失敗でもしたんか」
人間ポンプというのは、生きた金魚などを飲み込み、生きたままの状態で吐き出すという芸である。幼い頃に刻まれた衝撃といったらそりゃもう大変だった。お菓子で挑戦してみたが出来るはずもなかった。
そんな幼い頃の思い出に浸っていると、突如隣におじいさんが現れたのである。
そして、まさかの
「ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!うぇー!」を僕の真横で「人間ポンプ失敗芸」を披露したのである。
咳のボリュームに驚き、人間ポンプじいさんの方を見るとマスクをしていない。コロナの影響でなにかとマスク議論はあるのだが、これだけ盛大に咳をするのならマスクをした方が良いのではと思った。
ふと人間ポンプじいさんと目が合い、素敵な本屋さんに気まずい空気が流れる。
立ち去る人間ポンプじいさんの後ろ姿をそっと見送る。
一瞬、自分の目を疑った。
「おい!ジーパンの尻が破れとるやん!」
なかなかの年季の入った破れ具合である。
「もう口と尻にマスクをしとけ!」
心の中で強く思いながら、僕はサ行のコーナーに足を進めたのである。何事もなかったように。
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