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劇場版「THE FIRST SLAM DUNK」アナザーストリー


この年齢になってバスケットボールを再開した。『THE FIRST SLAM DUNK』の影響もあると思う。いやかなり影響は大きい。もしかしたらそれしかないかもしれない。待ちに待ったスラムダンクを観ることが出来た。早く観たい。その気持ちを抑えきれずにいた。やっとその日を迎えることができたのである。「朝一の上映時間で観る!」そう心に決めて自転車に跨った。自宅から映画館までの道のりは自転車で40分強はかかる。

「急がなければいけない」
「スラムダンクが俺を待っている」

しかしここでまさかのトラブルが発生した。財布の中で閑古鳥が鳴いていることに気づいた。それも耳をつん裂くくらいに奇声を上げて泣き喚いているのだ。

「財布に2000円しかないやん」
「入場料が1900円でのこりは100円」
「ポップコーンとか買えんやん」

慌てて近隣の駅前にあるATMコーナーに自転車を走らせる。想定外のトラブルにひたすら慌てふためいて白目を向きそうになる。マスクの中では口が乾き、歯が剥き出しになる。それでもスピードを緩めることはできない。目的地のATMコーナー到着寸前には、口をフルオープンにしていたせいか、歯茎と歯が乾ききってしまい、唇が引っかかって下りなくなってしまった。決して人様にはお見せできない面白おかしな状態に仕上がった。

「マスク生活に助けられたな俺」

そんなこんなでマッハでペダルを漕いで到着するもATMが2台しかないのには愕然とした。そして運悪く、なんと先約2名様が絶賛ご使用中ときたのである。

「やばい!間に合うのか俺」
「おっちゃん!めっちゃ時間かかってるやん」
「通帳を出して小刻みに入出金を繰り返しているではないか」

結構このパターンに遭遇する確率が高いのだ。これにハマるとなかなか順番が回ってこないのである。

「頑張ってくれ!ATM君たち!」
「入出金スピードをMAXに上げて!」
「頑張ってやぁー!」
「よっしゃ!やっと回ってきた!」

ATM様のご協力により、無事に出金作業を終える事が出来た。ここからはひたすら映画館に向かって走り続けるのみである。坂を上り、テンションを上げながらペダルを漕ぎ続ける。頭の中では10-FEETの『第ゼロ感』が鳴り響き、コート内を縦横無尽に駆け巡る湘北高校のメンバーの姿が浮かんでいる。

「俺はもう興奮している」
「北斗の拳のケンシロウかよ!」

そんな事を考えながらも、なんとか上映時間に間に合い映画館に滑り込んだ。座席に座ると緊張のボルテージが最大限に達した。心臓がバクバクしているのがわかるくらいだ。

「この緊張感はなんだ」

そして映画がスタートした。いきなり一粒の涙が溢れた。その後は涙を止める事が出来ない。一瞬たりともスクリーンから目が離せない。今まで待った甲斐があった。こんなに感動するなんて心の準備が全く整っていなかった。観ることが出来て本当に良かった。自宅でパンフレットを捲っていると胸の奥底で震えるような感動とポップコーンを買い忘れた虚しさがひたすら蘇ってくる。

ありがとうスラムダンク。
そして自分へのひとこと「ドアホ」。


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