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(20) 市庁舎の計画がとても多かった 2018年 その4


こんにちは!
お久しぶりですの更新です。
なかなかに時間がかかっていますが、プロジェクト依頼時から竣工後まで
追っていたのと、その前後の出来事を深掘りしてたら
1ヶ月ほどかかってしまいました〜。
(画像をクリックすると大きく表示できます。)

○ 沖縄 新島村 庁舎プロポーザル

コントラスト+夏の空+濃いめの樹木で
新島の強い日差しの表現を求められた庁舎外観です。

沖縄はコンクリートづくりの建物がほとんどです。台風や強い日差し対策のためですね。


○ 宇土市庁舎プロポーザル

南側のデザインが2転3転して結構変更に追われました。
結構固い感じだな〜思っていましたが、熊本ということもあり
地震に強く、質実剛健な雰囲気で長く利用できそうな施設に
仕上がったのかなと思っています。

外観パース。多目的スペースが全面に独立してレイアウトされています。
ほぼ同じような設計デザインで完成しています。

2023(令和5)年1月23日に竣工し、同年5月8日の開庁だそうです。
宇土市のHPに掲載されています。

エントランスは木をふんだんに使ったシックな空間です。
間接照明が優しい雰囲気に演出していますね。
アクソメ全体イメージ。道路を挟んで駐車場からアプローチが長くつながります。


○ 与那原町新庁舎プロポーザル

・外観全体パース
提案書に目がいくように、沖縄の強い日差し+象徴の桜+ブーゲンビリアの
濃ピンクでとの要望のあった作品です。

日差しを避けつつデザインされたレンガ積みのデザイン。

こちらは内観パースです。沖縄らしい『かりゆし』姿の職員さんが素敵です!
天井の構造デザインが複雑で、PCモニターとにらめっこしながら夜まで
モデリング作業しました。線画もデータの線ではなく、手描きなんです…!
皆の努力の結晶です!!

有名な与那原大綱曳(おおつなひき)をデザインモチーフとした天井。圧巻です!

このプロポーザルは当選し、2021(令和3)年5月6日開庁しています。

鳥瞰写真。
赤煉瓦がとても綺麗な建物です!


○ 某放送局 アクソメパース

目の前の三角公園的な広場も含めた提案で、
強調させたいにぎわい部分のみに着色されています。
こども番組のセットや、コスプレイヤーの人たちを追っている取材班など、
点景がかなり見所です。

広場が道路を挟んでレイアウトされています。
広がりを見せるためにあおりをつけたアングルです。


○ 蛇淵キャンプ場計画

珍しくキャンプ場のイメージパースのご依頼がありました。
山の中で、Googleでもあまり具体的な敷地の確認は難しく、
簡単な高低差がわかる地図から高低差などを読み取りつつ作画をすすめました。

雰囲気重視の水彩テイストの着色をしています。川の流れを表現するのが楽しい工程でした。
中央にかかる青いブリッジが見えるキャンプ場イメージ。
木漏れ日とBBQの煙で賑やかな雰囲気を表現しました

こちらはプロポではなく、まちづくりを専門に手がけるクライアントからの
ご依頼だったのでじゃぶち森のビレッジという名前で
2019年にオープンしています。
コテージには薪ストーブも設置されていて通年営業!
基本オートサイトではないですが、とても良さげな施設です。

○ 天神2丁目プロジェクト

新聞にも掲載された作品です。
天神のメルヘン通りと明治通りの角地を立体広場として開発するという
イメージパースです。
天神ビックバンプロジェクトの進行で、
ここ10年以上ずっと再開発が進んでいます。
弊社もありがたいことにずっと関わらせていただいています。
変わり続ける天神を見守りつつ、将来を楽しみにしています。

2F〜地上〜B2地下街までをつなぐアクセス説明用のイメージ。
わかりやすいように地面の厚みも透過しています。


○ 某社員研修センタープロポーザル

・研修用ホーム施設

車掌業務や線路の整備など、ホーム廻りの作業を勉強するための施設です。
実際の列車と改札口までを研修用にリアル再現。

・1F エントランス ショット

リアルに再現された改札口で研修中の風景。黒い制服の人物ばかりだと画面が暗い印象になるので
幼稚園生のビビットな彩りを入れて賑わいを演出しています。

・研修広場ショット

研修生の広場で最初手前の点景を救護練習で担架に運ぶ人を描いていたら、
ちょっと羊たちの沈黙みたいで怖い...と言われて(笑)
講習受けてる風景になった思い出深い作品(笑)

この設計案は不当選でしたが、施設は2022年3月にオープンしています。
一般に開かれた施設ではないですが、描いてて色々と勉強になりました。


○ 某 再開発プロジェクト

再開発で、高層ビルと大きな森の広場を全体として開発する計画です。
低層部分は、用途別で塗り分けをして分かりやすく表現。
森をぐるりと囲むブリッジで回遊性を持たせた魅力的なプラン。
このパース表現は、この後からサンプルとして何度も提案させていただきました。

建物のディティールは出さず、人物は白抜き、
空間に着色をして用途を明確に表現しました。

○ サンリアン大野城ソピア


マンションの広告用に鳥瞰パースを久しぶりに作成しました。
以前は、ほとんど住宅のパースばかりでしたが、CGパースが増えて
割合的にどんどんプロポーザルが多くなっていたので、
春日公園や春日市庁舎など、マンション周辺の主要施設や電車などのインフラを
象徴的に表現した鳥瞰イメージです。遠くには天神、ももち、博多湾までを
表現して、福岡のベッドタウンとして開発が進む春日周辺の立地の良さを
謳っています。

中央に西鉄大牟田線、JRの線路が平行し、とても立地が良いです!


○ 某合同庁舎プロポーザル

パース表現NGで具体的な表現ができない案件でした。
描き込まないシンプルなパースは、意外と頭を使うものです。
細微の調整が必要で、そのまま描くと目立ってしまいそうな手前公園の森の表現に
一番時間を費やしました(笑)

鳥瞰イラスト 
パースNG物件は、設計コンセプトを表現しつつ描き込みすぎないという手描きの技術が生きます。
外観アイレベルイラスト


○ 益城町新庁舎プロポーザル

プロポーザルからのご依頼で、当選後には基本設計のパース作成まで
携わらせていただきました。
こちらも災害からの復興をけん引するシンボルとして、
防災拠点・情報拠点としての機能を備えた、まちづくりの要となる庁舎として
建設されました。地盤を上げて基礎免震構造を採用することで、
熊本地震で経験したような繰返しの地震発生時でも構造体への影響を
最小限に抑えます。
災害時にも建物を継続して使用できるとともに、庁舎機能を保持し、災害直後から迅速に防災拠点としての本部機能を発揮できる計画としているそうです。
2023(令和5)年3月24日に完成。同年5月8日からの開庁だそうです。

益城町HP

全体鳥瞰パース(夕景)
広場をお祭り際催事の広場として活用しているイメージ。
全体アクソメパース。隣接する消防署も一体で建設しています。
2019年10月に基本設計の外観パースを作成しました。
竣工写真。RCパネルと黒サッシでクールなイメージです。
窓の周辺にルーバーを配して光を遮りつつ風を取り入れるデザイン。


○ 九大学研都市イメージ

福岡市西区にある九大伊都キャンパスの周辺の
開発の広がりを表現したイメージイラスト。
楽しい雰囲気で駅や都市高速からの導線や、市街地からの距離感、自然の豊かさなど広大で魅力的なキャンパスの全景が分かるように表現したイラストです。
少し派手目に『夏イメージ』で着色しました。

キャンパス周辺には近未来な施設が広がります。ドローンも飛んでいます!


○ 広川新庁舎プロポーザル

この年は九州の市庁舎のご依頼が多かったです。
新規クライアントからHPを拝見して、とのご依頼でした。
残念ながら不当選でしたが、このパースは結構気に入っています。
木をふんだんに使用したプランでした。

広川の祭りや賑わいを表現。久留米絣のテキスタイルを点景にに盛り込みました。
内部エントランスラウンジ。開放的な市民スペースと窓口を表現。
ここにも久留米絣をふんだんにデザインしてます

2023(令和5)年9月26日(ついこの間です!!)に
新庁舎が供用開始したそうです。

西日本新聞のWEB記事より。
ルーバーが久留米絣、というのは共通のデザイン案だったんですけどね〜。
広川町のHPより。展望デッキの床デザイン可愛いです!


○  某市庁舎 プロポーザル

市庁舎を夕景に、という要望がこの頃から結構あるんですが、
庁舎の用途として夜に使用する施設ではないのでは?と思っていましたが、
『ひらかれた庁舎』というこれからのコンセプトとしては、
日中働いてなかなかアクセスが難しい、働き盛りの人なども立ち寄れる施設になるということなんでしょうか?最近は図書館や保育施設なども併設してたりするので
いろんな人々が立ち寄れる施設になっていくといいですね。

納期の1日前に急に『夕景にしてほしい』との指示があり、スタッフ総出で仕上げました汗
第1次のプロポは残念ながら白紙に戻ってしまい、仕切り直しでした。


ワイドな断面パース。執務スペースと市民マラソンのイベントが一緒に表現されている面白いパース。

この物件は建設地が変更になり、再度ご依頼いただきましたが、
残念ながら次点でした。でもこのパースは一式で結構気に入っています。
タッチサンプルとしても要望があるので、毎回悩みつつ本気で仕上げた作品に
無駄なものはないな〜と改めて感じています。

○ 五島市立図書館プロポーザル

年末にいただいた物件です。
納期もですが、構造がかなり凝ってまして、
入力にも線画にも気合を入れて望んだ物件です。
素敵なデザインだったこともあり、めでたく当選したそうです!
2023年4月に開館しています。
『リブ・ヴォールト天井』という、ゴシック建築に多いデザインを
取り入れています。
五島に多いキリスト教会の建物の雰囲気を取り入れました。

正面からのアイレベル。
円錐型のガラスドームは水盤に浮かぶ『おはなしのしま』というかわいい施設です。
1F書架のカウンターからの全景。天井が一番綺麗に見える象徴的な場所です。
全体アクソメパース。ラウンドした柔らかなイメージの書架と五島の椿をデザインに取り入れました。

竣工時の完成写真はこちらです。

外観。実際は水盤ではなく、芝生になっていました。
正面エントランスから内部を望む。照明のラインが美しいです!
書架から天井を見上げる。ライン照明が綺麗です。ヴォールトのデザインを生かしつつも
現在の建築に沿った施工をされています。

ところで、この物件の最大の特徴である
『リブ・ヴォールト天井』のイメージですが
パース作成時は、いただいた教会写真の見た目だけを確認しながら
作画に反映していたのですが、今回アーカイブとして記載する際に
ちょっと詳しく調べてみましたら、こんなコラムを見つけました!

黒島天主堂(佐世保市)の特徴でもある美しい木目のリブ・ヴォールト天井。
実はその木目は人の手で描かれたもの。

え〜〜!すごくないですか!!よく見ても描いてるとは分からない仕上がり。。。
同じ九州ということで、もし機会があったら双眼鏡片手に訪れてみたいものです。

こうやって一つひとつの仕事を掘り下げていくと、いろんな勉強になります。
建物づくりって人の暮らしと繋がっているものなので、楽しいですね!

最後、すごいボリュームになってしまいましたが
読んでいただきまして、ありがとうございました!

次回からは、2019年を振り返っていきたいと思います〜。

ピーアンドエル スタッフ 大石


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