【チベット語アウトプット日記】ツェワン・ノルブの歌詞翻訳[番外編]
今回はちょっと番外編。
これまでツェワン・ノルブの歌詞の翻訳を7回やってきて、謎単語がいくつか出てきた。
確実な文法的解説を見いだせないままなんとなくな感じで訳して来たけど、最近奇跡が起きました。
現在、東京外国語大学のオープンアカデミーのチベット語講座を毎週受講しており、教材はニューエクスプレス「チベット語」を使用している。
これは日本のチベット語研究の第一人者である星泉先生監修なのだが、やはり日本人が作っているだけあってとても綺麗なチベット語しか載っていない。
しかし、最近担当の先生がチベットで読み語られている絵本を教材として使用し始めた。チベット人が書いてチベット人の親がチベット人の子どもに読み聞かせる代表的な絵本…と紹介されたそれに、謎単語「ཞིག་」と「ནི་」が出て来たのだ!
謎単語の解説
謎単語①ཞིག་について
この単語が出て来たのは、
「ཙི་ཙི་ཆུང་ཆུང་ཞིག་」という一文。
ཙི་ཙི་は「ネズミ」
ཆུང་ཆུང་は「小さい」
そしてその後に続く謎単語 ཞིག་
先生の解説によると、
ということだった。
私の訳はあながち間違ってはいなかったが、でも直前の単語で綴りが変わるとか、名詞句のマーキングになるとか、やっぱり独学だと知る由もないことが理解できて良かった。
謎単語② ནི་について
そしてもう一つの謎単語。
これが出て来た文章は、
ང་ནི་ཤིང་ཆུང་ཆུང་ཞིག་ཡིན།
ང་は「私」
謎単語を飛ばして、
ཤིང་は「木」
ཆུང་ཆུང་は既出「小さい」
ཞིག་は解決した単語「ある」
ཡིན།は「です」
チベット語は形容詞が名詞の後に続くので、ཤིང་ཆུང་ཆུང་は「小さい木」
そしてさっき解決したཞིག་があるので、その直前までが一つのかたまりとなることが分かる。
そしてནི་の正体は、先生の解説曰く
ということ。
うーん、よく分からないけど、今まで学んだ能格助詞も主語を強調すると習った。
違いはよく分からないけど、思うに語調を揃える働きがあるんじゃなかろうか。これ全くの想像だから当てにならないよ。来週先生に聞いてみます。
というわけで
さんざん悩んだ謎単語たちも、あっという間に解決しました。
やっぱりいろいろな文献に触れてみないと分からない/気付かないことがたくさんあるなぁと感じた。
そして、やっぱり日本人が作った参考書は綺麗すぎる。
批判ではなくて、現実のパンピーチベット人はもっと砕けた表現をする。それがポップな歌の歌詞や庶民に根付いた絵本なら尚更。
こういった表現に慣れるためには、できるだけたくさんの文献に触れることに尽きるんだろう。
なかなかチベット語の本や歌って手に入りにくいけど、でもインターネット隆盛のこの時代だからこそできることがたくさんある。
文明の利器に甘えてもっとブラッシュアップさせていこうと思います。
ではまた!
མཇལ་ཡོང་།
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?