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KodakEKTARH35というハーフフィルムを推すわけ(作例あり)

Kodak EKTAR H35 というハーフフィルムカメラをご存知でしょうか?

ハーフフィルムカメラについてあまり聞きなれない人もいると思うので、簡単なハーフフィルムの説明からこの記事を始めようと思います。それでは、レッツゴー


ハーフフィルムカメラとは

1番の特徴は通常の2倍写真が撮れるということです。フィルム1コマを2分割することでこれが可能となっています。36枚フィルムだと72枚。フィルム代や現像代といって何かとお金がかかるフィルムカメラですが、少しでもコストを減らしたい人におすすめなのがこのハーフフィルムカメラです。

では、ハーフフィルムカメラのデメリットは何か。
やはりそれは画質です。単純に1枚の写真に使われるエリアを半分にするわけですから画素数が半分になります(画素数という表現がフィルムに合っているのかはわからないので悪しからず)。しかし個人的にはその画質の粗さもフィルムの味をだす重要なファクターだと考えています。



では次に、Kodak EKTAR H35 をオススメする理由について書いていきます。
※具体的な仕様については以下の私のブログで紹介しています。


Kodak EKTAR H35 とは

Kodak EKTAR H35は2022年に新しく販売開始したハーフフィルムカメラです。当時の価格は8,000円くらいでしたが、今はAmazonで7,000円くらいで売られています。(フィルム別)

メリット

  • 持ち運びやすい

  • 壊れにくい

  • 低価格

  • フラッシュ機能付き

  • 操作がシンプル

デメリット

  • 狙った写真が撮りにくい

  • ミスフラッシュしやすい

  • フィルムカウンターが見にくい

それでは簡単に解説していきます。

まずは「持ち運びやすさ」「壊れにくさ」について。
Kodak EKTAR H35は プラスチックで作られており本体質量はわずか100g。フィルムと乾電池合わせてもおそらく300gいかないと思います。サイズはズボンのポケットに入る大きさで、持ち運び安さはピカイチです。
壊れにくさについては、カメラの中に精密機器が入っているわけではないので多少粗雑に扱っても壊れないと思います。スマホよりも気軽にソファに軽く放り投げられる、そんな感じ。価格が安いという点からも、万が一壊れてもデジタルカメラより痛くないのも良い点です。

次に「低価格」について。
コスパの話になると競合は「写ルンです」ですかね。本体が2,000円くらいで、重さと始めやすさで言えば「写ルンです」に軍配が上がります。しかしたくさん撮影したいという人にオススメなのはやはりKodak EKTAR H35です。現像代やフィルム代含めて計算してみたところ、写真を72枚以上撮りたい人にとってはKodak EKTAR H35の方がコスパが良くなります(※)。
※Panda調べ:写ルンです価格2,000円, 36枚フィルム2,000円, 現像代2,000円で計算。間違ってたらごめんなさい。

お次は「フラッシュ機能」について。
夜中にはフラッシュ機能がないとフィルムは手も足も出ません。真っ暗の屋外はもちろんのこと、室内でも明るさに不安があるときフラッシュを焚くことで綺麗な写真を撮ることができます。「迷ったら焚け」これがフィルムカメラのコツです
しかしここで注意しなければならないのが、フラッシュを焚いた後すぐにフラッシュをオフにすることです。私自身よく失敗するのですが、前回撮影時のままフラッシュをオンにしてそのままの状態で次回撮影に挑むと、たとえフラッシュをオフにしたとしても、フラッシュを焚いてしまいます。意図しないフラッシュは真っ白な写真を生み出します(露出オーバー)。

右:露出オーバー(ミスフラッシュ)
左:露出アンダー(明暗差大)

あとは「操作性」「画角」についてです。
サッとポケットから出してパッと撮影。電源を入れる必要もありません。軽くて小さいのはもちろんですが、ボタン1つというシンプルさが機動力を生み出します(もちろん撮影後は巻き上げないといけませんが)。
しかし困ったことにファインダーを覗いて撮ったにも関わらず、少し画角がずれてしまうことがよく起こります。ハーフカメラというサイズの小さなカメラだからこそ小さなズレが大きなズレに感じてしまうのだと思います。しっかり画角を狙って作品を撮りたい方は慣れが必要です。

右:画角をはずしたヤギ
左:露出オーバー

最後は「フィルムカウンター」について。
ハーフカメラを現像する時には2枚1組でデータ化することができ、この組み写真を工夫できるのもハーフフィルムの面白さ。しかしKodak EKTAR H35は今何枚撮ったのか確認するフィルムカウンターが見にくいのです。だいたいの撮った枚数はわかるのですが、偶数枚撮っているのか奇数枚撮っているのかわからない。これは組み写真を撮る上では致命的です。フィルム上で組み作品を撮りたい方には残念ながらこのカメラはオススメできません。

フィルムカウンターの判別が難しい



撮影のコツ

私が2年間使って学んだ撮影のコツをお話しします。

  • 少しでも暗いと思ったらフラッシュを炊くこと

  • フラッシュを焚いたらすぐオフにすること

  • 捉えたい対象はファインダーでしっかり狙うこと

  • 予定枚数(例:72枚)よりも撮影できること

フラッシュとファインダーの使用については前述したので割愛します。

初回使用時に私が焦ったのは、72枚撮影が終わったのにフィルムがまだ巻き上げられたことです。失敗したかもしれないと不安の中で現像に出したのですが、無事に撮影できておりフィルムにもまだまだ余裕がありました。フィルム2本目で巻き上げられなくなるまで撮影したところ、全部で78枚くらい撮影できました。つまりフィルムレバーが重くなるまでは撮影できると考えて良いでしょう。

Kodak EKTAR H35をオススメするわけ

私がこのカメラを推す理由は「ドライブ感」を撮影するのにピッタリだと思うからです。

(勝手に私が言っているのですが)「ドライブ感」というのは、無意識に写真からその前後の様子、被写体や撮影者の感情思考まで想像してしまうような、そんな写真から放たれるエネルギーのこと。

撮影の目的もたくさんある中で、居酒屋で仲間と酔っ払った夜だったり、仕事終わりの帰り道だったり、友達や恋人とスキーに行ったときだったり、そんな「なんでもないけど残したい日常を撮るとき」や「重いカメラを持ちたくない身軽でいたいとき」、つまり綺麗とか楽しいとか寂しいとか自分の感情が動いた「ドライブ感」を残せるその瞬間に、このカメラは常に寄り添えるのです

たしかにフィルムでなくても良いのかもしれません。しかし、感情に響くざらついた遠い「記憶」のような写真はきっとフィルムでしか撮れない。そして記憶に残る不意の一瞬を切り取れるのは機動力があるこのカメラならではだと思う。

「どんな写真が出来上がるか楽しみ」それがフィルムの良さだと、たくさんの人が知っています。そしてこの手軽なフィルムカメラこそが、見返して心が動く一瞬の「ドライブ感」を残し楽しむための相棒になってくれると、私は思うのです。


Kodak EKTAR H35で撮影した写真はこちら↓にも載せていますので是非!

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