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気を回らせるおくすりの違い

今回はお勉強らしいお話をしましょう。読むというより、辞書的に使える文かも知れません。今日は方剤学のお話をします。もしかしたら少し難しいかも知れませんので、お気軽にご質問ください。

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気を回らせる薬

気というのはエネルギーであり、体の中を滞りなく循環していなくてはいけません。その巡りが悪くなると様々な不調が生まれます。

気の巡りを整えるおくすりを理気剤(りきざい)といいます。理気剤は気滞(きたい)という状態を改善する処方です。気滞とは、気の流れの停滞を意味していて、主に自律神経系の緊張や興奮に伴う消化管、気管支、血管壁などの平滑筋の緊張や痙攣による症候のことを指します。

気滞の代表的な症状には、

・胸部の気滞:胸苦しさ、胸痛、気道の閉塞感あるいは咳、呼吸困難など。
胃の気滞:上腹部膨満感、遊走性の腹痛、げっぷ、呑酸、吐き気、嘔吐など。
腸の気滞:腹部の膨満感、お腹がぐるぐる鳴る、遊走性の腹痛、しぶり腹、排便困難、便秘など。

肝気鬱結(かんきうつけつ):胸部から腸にかけての気滞がストレスによって発症するケース。上記3つの症状のいずれかに加えて、いらいら、抑うつ、怒りっぽいなどが見られます。またこの状態が続いて、のぼせ、口の苦さ、口の渇き、目の充血、不眠など熱証(ねつしょう、発熱ではなく、興奮や熱がこもった状態、炎症状態のこと)が見られる場合は、肝鬱化火(かんうつかか)といいます。

気滞が見られる場合は、いろんなものの流れが滞るので、多く場合、水分代謝異常の痰湿(たんしつ)、食物の停滞の食滞(しょくたい)、血流障害の瘀血(おけつ)も見られます。

中国の生薬市場です
いろんな生薬量り売りされてます。
ちなみにこれは朱砂(しゅしゃ)という生薬で、硫化水銀です。

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