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【Vol.1親の心得】Ep.3:子供の状況を考慮・想定して中学受験のスケジュールを管理する

中学受験における親の仕事は、大きく2つに集約されると考えています。
ひとつは、子供の様々な状況を考慮・想定しながら、中学受験のスケジュールを作成・進捗管理することです。
もうひとつは、子供の学習面、健康面、メンタル面の状態を把握し、目標へ近づく行動をとれるように仕向けることです。
この2つの仕事は密接な関連性があるので、結果を相互にフィードバックしながら同時並行で進めていきます。
今回は一つ目の中学受験のスケジュール管理についてお伝えしたいと思います。

<ポイント>
・マスタスケジュールで中学受験全体の進め方を管理する
・月間スケジュールで月次テストに向けた進め方を管理する
・受験スケジュールで受験期間の併願パターンを管理する

1.中学受験のスケジュールについて

中学受験のスタートは、一般的に小4の新年度開始時期(小3の2月)とされています。
中学受験の四大塾であるSAPIX、早稲田アカデミー、日能研、四谷大塚を始め、多くの中学受験対応塾では小4から本格的なカリキュラムやテストが始まるためです。

ご家庭によっては小学校低学年から始めたり、小6になってから始めたり、中学受験に取り組む時期は様々だと思いますが、いずれにしても中学受験を推進するためにご家庭毎の計画が必要です。

中学受験の計画として最低限必要なのものは以下と考えています。
1)マスタスケジュール:中学受験の全体的な進め方・スケジュールを計画するためのもの
2)月間スケジュール:月次テストで目標成績をとるための進め方・スケジュールを計画するためのもの
3)受験スケジュール:受験本番の併願パターン・スケジュールを計画するためのもの

なお、これらの3つのスケジュールは相互に連動するので、どれかで計画の追加・変更・削除があったら、他の2つのスケジュールに計画反映をして維持管理していきます。

2.マスタスケジュールで全体的な受験計画を管理する

マスタスケジュールは中学受験の全体的な進め方・スケジュールを計画・把握するために活用します。
マスタスケジュールで押さえるべきポイントは以下と考えています。
・入塾テスト、月次テスト、模擬テスト、受験本番などの重要なマイルストーン
・期末(8月、1月)などの節目となるタイミングでの目標偏差値と実際の偏差値
・塾、小学校、習い事、家庭の予定の中で、受験勉強へ影響を与えるスケジュール(成績向上要因もしくは阻害要因になるイベント)

マスタスケジュールでは、中学受験に取り組み始めてから小6の受験本番までの期間を管理対象とします。
作成タイミングは中学受験に本格的に取り組み始める時で良いかと思います。
例えば、小4新年度(小3の2月)から入塾する場合であれば、入塾テストの準備を開始する小3の夏休み頃に作成すれば良いと思います。

スケジュールの体裁は親御さんが管理しやすいスタイルで良いと思いますが、例えば月単位のガントチャートなどが管理しやすいのではないかと思います。
スケジュールの粒度は重要テスト(クラス変動、合否判定に関わる)、成績向上要因(夏期講習、正月特訓など)、阻害要因(修学旅行、運動会、家族旅行、習い事の発表会)の発生時期を把握できる内容であれば十分で、細かくスケジュールを設定する必要はありません。
項目を細かく設定し過ぎるとゴチャゴチャしてかえって全体像の把握をしづらくなります。

また、数年分のスケジュールを管理することになるので、翌年度以降の未決定のスケジュールについては当年度のスケジュールを参考に仮の日程を設定すれば十分です。
具体的な日程が決まったタイミングでマスタスケジュールに反映すれば良いです。

マスタスケジュールはスケジュールの正確性よりも、ざっくりと中学受験の全体像を把握できる内容になっていることが重要です。
あくまでも中学受験の受験本番までにどのようなスケジュールが存在して、どの時期にどれぐらいの偏差値をとる必要があるかの全体的な流れを家族で共有することが目的です。

3.月間スケジュールで直近のテストに向けた勉強計画を管理する

月間スケジュールは直近のテストに向けた勉強の進め方・スケジュールを計画・管理するために活用します。
月間スケジュールで押さえるべきポイントは以下と考えています。
・目標とするテストの日程とそこで取りたい偏差値
・取り組むテキスト・問題集の範囲・進捗率・正答率

月間スケジュールでは、クラス変動や合否判定などに関わる重要なテストが終わってから、次の同等のテストまでの期間を管理対象とします。
四大塾および首都模試では下記のようなテストがあり、通常は毎月何らかのテストが実施されていると思います。
・SAPIX:マンスリーテスト、組分けテスト、サピックスオープン
・四谷大塚、早稲田アカデミー:組分けテスト、合不合判定テスト
・日能研:カリキュラムテスト、全国公開模試
・首都模試:合判模試
四谷大塚の週テスト(早稲田アカデミーではYT土曜講座)のような週次のテストを受けている場合は、その日程と目標偏差値も管理対象とすべきですが、週次管理をしてしまうと煩雑になりがちなので月次管理がちょうど良いと思います。

中学受験では月間スケジュールが最も長く付き合う受験計画ツールになるので、とても重要なスケジュールになります。
月間スケジュールの予定通りにテキスト・問題集を進めて、正答率も向上していけば、成績は上昇傾向になっていくと思います。
逆に、予定通りにテキスト・問題集を進められなければ、成績は停滞もしくは下降傾向になると思います。

月間スケジュールはお子さん自身が作成・管理し、それをインプットに週スケジュール、日スケジュールを作成・運用していくのが理想ですが、必要に応じて親がサポートしてあげてください。
子供が自分でスケジュールを作成・管理できるようになれば、計画力・マネージメント力の向上が見込めるので、少しずつでも子供自身ができるようにしていきたいところです。

4.受験スケジュールで受験期間の併願パターンを管理する

受験スケジュールは受験期間の受験日程・併願パターンを計画・管理するために活用します。
受験スケジュールで押さえるべきポイントは以下と考えています。
・受験校の受験日程(特に、受験2日目までに安全校受験の日程を組み込めるか)
・合否発表の翌日の受験校決定方針(合格の場合に受ける学校、不合格の場合に受ける学校を決めるための判断基準)
・出願期限、合否発表、入学手続き期限の日程

受験スケジュールでは、受験初日から受験最終日までの期間を管理対象とします。
受験校と受験最終日は最悪のケース(全落ち、進学予定の無い学校のみ合格など)までを想定して決めることになりますが、受験校の組み合わせ(併願パターン)は算数の『場合の数』で使う樹形図のように整理すると洗い出しがしやすいと思います。

あと、一回も訪問したことのない学校を突然受験しに行くことは避けたいので、併願パターンの樹形図に登場した学校については学校説明会に出席しておくべきと考えています。
そのために5年生のうちに受験スケジュールの作成に着手して、余裕を持って受験計画を立てていきたいところです。

5.まとめ

我が家は小4の4月から早稲田アカデミーへの通塾を開始したのですが、事前の準備をせずに中学受験をスタートさせたので、入塾テストは偏差値21、その後の組分けテストも偏差値20台後半から30台前半で推移しました。
当初は母親が中学受験を見ていたのですが、娘の偏差値を見ると良いときで30ぐらいなので、何でこんなことになっているのかと思い早稲田アカデミーのカリキュラムや予習シリーズのテキスト・問題集を確認してみました。

私自身は中学受験を経験しなかったので中学受験がどういうものかを知りませんでしたが、地元の公立中から県内上位の公立高へ進学し、地元の国立大へ進学したので、受験勉強は苦手な方ではありませんでした。
しかし、予習シリーズをみると、言葉は平易な表現であるものの、内容は中学・高校レベルの問題もあったので、これは大学受験のように計画的に進めないと志望校合格は無いと感じました。

しかし、中学受験の計画のやり方なんて知りませんでしたし、中学受験の書籍を見ても計画のやり方についての内容はありませんでした。
そのため、中学受験をプロジェクトとして捉えプロジェクト管理のやり方をベースに試行錯誤しながら受験計画を立てていきました。
ただ、試行錯誤することが多かったため、計画ができたタイミングではすでに後手に回っていることが多かったように思います。

上記でご紹介したものは、私の3年間の試行錯誤で作っていったものの一部ですが、細かい内容は別の記事でご紹介していければと思います。
小4や小5のお子さんであれば受験本番まで十分に時間はあると思いますので、記事でご紹介した内容を参考にして受験成功の一助になれば幸いです。

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