ぷんぷん召使いチエデレラと【つよみ】の原石
むかしむかし。あるところに…ではなく。
いま現在。この家では。
2人のワガママなお姫様がいました。
お姫様の妹は、人間の言葉はほとんど操れないのに、なぜか『イヤ』だけははっきり言える魔法にかかっておりました。
そして、三匹の子豚の長男…ではなく。
2人姉妹の長女であるお姫様は、『やっぱりアッチがいい』の魔法に侵され、
特に食べ物に関しては強欲の塊となっていました。
そう。まるで、食いしん坊の長男ブタのように。
そんな2人に反抗し、怒鳴り散らし、毎日ぷんぷんしながら仕えているのが、
この物語の主人公シンデレラ…いや、ぷんデレラ…
いいえ。私、チエデレラでございます。
チエデレラは今日も、姉のお姫様に朝からぷんぷん。
『これ食べる。あっちがいいわ。アレも用意して頂戴。』
『やっぱり食べられないから。コレは貴女がが食べなさい。好物でしょう?』
姫はチエデレラの気持ちも状況も考えず。気分に合わせてワガママばかりです。
ぐぐ。。
そして今日もチエデレラは姫たちの残り物を食べていました。
チエデレラは思うのです。
私だって…私だって…
『こっちがいい!やっぱりアレ』って言いたいー!!!と。
実はチエデレラは『大人』という魔法にかかっていました。
そのせいで、自分の要望を簡単に変える事ができなくなっていたのです。
食べ物だけではありません。
意見や行動。要望、希望、欲望。
全てにおいて、いつもどこかで我慢していました。
『こんな事を言ったら迷惑になる』
『優柔不断と思われる』『困らせる』
『信頼をなくす』『期待されなくなる』
『違う意見の人が去っていってしまう』
『あぁ。皆んなになんて思われるんだろう。。』
…。。
でも、その魔法のおかげで、物事はいくらばかりかスムーズに進んでいくのです。
ぷんぷんするのにも疲れたある日。
チエデレラは『心の庭』で【つよみ】という宝石の原石のようなモノを見つけました。
その石の名前は【誠実さ】かも知れません!
チエデレラはびっくりしました!!
まさか自分の心の庭に【誠実さ】があったとは!!
しかし、【誠実さ】はまだまだ原石。
なんと心の声の邪魔をしていたのです。
【誠実さ】は自分にも周りにも偽りたくないのです。
だから自分の意見が変わった時、過去の自分や周りの人に『今までは偽りだったと思われたくない』
『今までの気持ちだって、嘘ではない』
『でも。今の気持ちも偽りではない。』
『今の気持ちを抑えれば、今までの自分や周りに誠実でいられるに違いない。』
と、湧き上がる心の声に蓋をしていたのです。
【誠実さ】の原石を宝石にするには、真心で磨く事が大切でした。
『今までも本当。今も本当。』純粋に真心を持つ事が大切だったのです。
チエデレラは思いました。
そうよ。誰だって、ずっと同じでいられるわけない。世の中には新しくて素敵なモノが溢れているのだから。
真心をもてば変化だって怖くない。と。
そして【誠実さ】の原石を持っている事を嬉しく思いました。
チエデレラは気付いたのです。
きっと姉のお姫様も【誠実さ】の原石をもっているのかも知れないと。
伝え方さえ身につければ、きっと輝かしい誠実なお姫様になれるかもしれません。
みなさんはいかがですか?
何か新しい行動をする時、今までの仲間が付いてきてくれるか不安になったり。
今までと別の意見を言う時、臆病になったりしませんか?
そんな時は、自分にも周りにも偽りたくないという【誠実さ】が【勇気】を抑えているかも知れません。
ぜひ『心の庭』を探してみてください。
さあ!
こうして、チエデレラのぷんぷんした毎日は終わりを………
告げるのでしょうか?いやそれは当分先のお話。