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【読書記録】~いつも生きる場所を探している~「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」
私はいつも生きる場所を探している。
どこか街に出かけるたびに、住むときのことを想像して街をめぐる。
はる版住みたい街ランキングの現時点の1位は京都の京セラ美術館周辺で、2位は決まっておらず三位は鎌倉だ。
この住む場所探しは、これからもずっと続けるんだろうな、と思ってる。
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こんにちは、ゲームセンターでゲットしたたべっこどうぶつのライオンぬいぐるみが可愛くて毎日愛でているはるです。
将来は自分の本屋を持ち、それまでに本屋さんやおしゃんなカフェへの取材と記事作成、そして本や映画のコラムやエッセイを雑誌連載し、外国文学の翻訳とラジオとラインスタンプも作りたいはるです。
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今回は町田そのこさんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」を読み終わったので、その感想を。
この本は5編の連続短編集で、わたしが最も好きな話は作者のデビュー作でもある「カメルーンの青い魚」だ。
私があらすじを書くのもなんだか作品の魅力や雰囲気をうまく守れない気がするので省略するが、とにかくりゅうちゃんがよい。とてもよい。
どんなお話かは、なんの情報も持たずに読んだほうがよいと個人的には思うので、ぜひ皆さんに読んでもらいたい。
そして、短編集を読んで私が一番考えさせられたのは「溺れるスイミー」というお話だ。こちらは、一つの地にとどまることができず、より生きやすい場所を探して国内を転々としている登場人物たちのお話。
なんか、わかるなぁ、と。
私はずっと実家に住んでいて、今の実家から大学に通っているが、田舎なのでご近所づきあいというものがいまだに存在している。
もちろんそういう古き良きお付き合いみたいなのは良いかもしれないが、噂はすぐに広まるし、ご近所の顔色を気にしないといけない部分もあるらしく、だいぶお付き合いは面倒くさそうだ。(私はそういうお付き合いに興味がないので、すれ違ったら挨拶するくらいだが、県外から嫁いできた母は大変だったらしい。)
だから、大学を卒業して1年か2年以内には地元から出たいと思っている。そしてそんなに帰る気もない。母は、私がこの実家にずっと住むと思っているようだが。
なので、登場人物の、一か所にとどまるときの息苦しさというのは少しわかる気がする。もっと良い場所があるんじゃないか、と探して旅をしたくなる気持ちも。
そして、二人という群れで生きていけるのか、という不安も。
ひとりで生きていくのは寂しい。なにより私はまだ恋愛体質が治っていない。結婚願望もある。だけど、この人と結婚するんだろうか、と考えたとき不安になる。相手が悪いわけではなく、身軽に動けなくなるんじゃないか、と思ってしまう。
私は将来京都に住みたいけど夏はめちゃ暑いらしいから春と秋だけ住みたいし、夏は軽井沢にもイギリスにも住みたいし、冬は沖縄とかもいいな。
将来はたくさん移住して、転々としたいとなんとなく思っている。
登場人物たちのように。
私はいつも生きる場所を探している。
そんなふらふらしがちな私とともに、私をそっと包み込んで一緒にふらふらしてくれる人が現れるのだろうか。
それが今の恋人だったらそれほどうれしいことはないけれど。