３０年ぶりに視聴したドラマ「高校教師」を見て思ったことを書く④
Tverで昔の名作ドラマ特集 に「高校教師」があったので、３０年ぶりに視聴しました。このドラマは最高視聴率が３３％とかなりの人気ドラマで、中学生の私も視聴しておりました。
このドラマは令和の時代の「不適切なドラマ」の筆頭であり、レ〇プ、近親〇姦、同〇愛などコンプライアンスを完璧に無視したドラマで、回を重ねるごとに何か不穏な空気をまとっておりました。
３０年ぶりに視聴したら先が気になりすぎて１話から最終話まで一気に見てしまいました。思ったことを書こうとしたものの、１話だけで3000文字くらい書いてしまったので、少しずつ小分けにして感想を書いていきたいと思います。
第１話の感想はこちら
1話は真田広之が女子高の先生に赴任し、桜井幸子と出会うまでです。1話は「不適切な」描写はなく、静かなスタートですがこれから何かが起きそうな雰囲気をまとっています。どのようにして2人が出会うのか？これから何が起こるのか、静かにスタートさせます
第２話から第４話まではこちら
１話で真田広之が女子高に赴任し桜井幸子と出会うが、彼にとって女子高の先生は腰掛に過ぎません。なので桜井幸子だってやたらと付きまとってくる生徒の一人しかありません。これから研究者としての輝かしい未来が待っており、人生の伴侶と共に歩んでいく・・・はずだった。
しかし、２話から４話にわたって真田広之の人生の歯車が狂い始め、すべてを失ったと思い込む。絶望の中で唯一残っている希望が桜井幸子だったって話です。
第５話はこちら
すべてを失ったと思い込んでいる真田広之でも、この回で二人が湘南の海でデートし終電を逃してしまう。やがて二人は結ばれハッピーエンドとなるのだが、２人は教師と生徒でそれは一線を踏み越えた不適切な関係だ。
第６話と７話をネタバレ満載でがっつり書きなぐります。
ポイントは第６話で生物担当の教育実習生が新キャラとして登場いたします。考えてみれば教育実習生って大学生なんですね。そんなキャラクターは二人の関係に何も影響しないはずなんだけど、特に桜井幸子にとっては、目の上のたんこぶというか、ハエみたい感じで目障りな存在そのものですね。
何しろ真田広之があれだけのことをしておきながら、少々ちょっかい出してくる教育実習生にまんざらでも態度をとるものだから、目障りそのものですね。あのルックスだから当たり前なんだけど、なんだかんだ言いながら真田広之は結構モテるのです。
６話のポイントは桜井幸子が父親に向かって「好きな人と一緒にいる」って外泊先の電話で喧嘩を売ったのが全てです。それを「友達のところにいる」とでもいえば丸く収まった可能性もあるのです。私が娘を持つ父親だったとして、どのような行動をとるのか知る由もありませんが、少なくとも学校に垂れ込むようなことはしません。普通に考えて娘の人生に不利なことはしません。
しかし、親父が娘に不適切な想いを抱いている。そして、娘が好きな人が学校の先生であり、それを知っていると思ったらどうするのか？それでも学校へのタレコミはしないはずです。
でも、親父はタレコミをした。結果、桜井幸子は停学、真田広之は普通に先生をやっている。これが全てなのです。
とはいえ、桜井幸子のダメージがでかすぎるのに対して、真田広之はそれでよいのか？っていうのがテーマなのです。
吐き気のする歓迎会
６話は内容はあんまり覚えていませんでしたが、桜井幸子が影絵で遊んでいるシーンはしっかり覚えております。鎌倉での一夜の後でもあり、真田広之が教育実習生にカッコつけているので、軽く嫉妬している場面なのに、なぜ影絵遊びをやるのかちょっとわかりませんでした。やっぱり女という生き物のやることはわかりません。いや、野島伸司が考えることでしょうか？
このドラマでもそれなりにラブシーンはあるのですよね。真田広之がクソ婚約者や教育実習生と絡むときは直接的な描写をするし、なにより持田真樹のサイドストーリーは放送できないぐらいヤバい描写なんですよね。
しかし、真田広之と桜井幸子に対してはメタファーばっかりです。いったいなぜこのような描写をするのでしょうか。十分不適切な関係でも綺麗なままでいたいのでしょうか。
６話のクライマックスはやっぱり教育実習生の歓迎会です。私が当時通っていた高校は地方都市の男子校に通っていました。なぜか知らないけど、私の通う高校の先生はほとんどが男の先生で女の先生は５人いたかどうかです。（そのうち一人が数学の先生で、５０過ぎのおばさんに散々いびられてました。）
純朴な高校生である私は先生たちは堅物だけどみんな真面目だと思っていました。よく考えたら高校の先生だってサラリーマンだから上司部下の関係もあって当たり前だし、上司が部下を指導することもあれば、部下が上司の悪口があっても全然おかしくないはずですが、そんなこと全く考えていませんでした。良くも悪くも学校の先生を聖職だと思っていたのでしょうね。純朴な高校生の私に、サラリーマンとなった私の姿を見せたら幻滅するかもわかりません。
一方で高校教師の職員室の風景は、割と私が見てきたような風景（京本政樹みたいにやたらモテる先生はいないけど）ではあるが、教育実習生の歓迎会は吐き気がしました。先日楽しく見ていた「不適切にもほどがある」の中学のシーンが健全に見えます。歓迎会と言いながら学年主任はセクハラし放題だし、女の先生は当たり前のようにお酌をしております。女子大生にとっては歓迎会といいながら、これはパワハラでありセクハラです。令和の時代で２０年近くサラリーマンをやっている私が見たら地獄絵図そのものです。
真田広之もそんな飲み会すっぽかして桜井幸子と遊んでいる方が楽しくて仕方ないでしょう。私も激しく同意です。
しかし、赤井英和に「話がある」と強引に参加を強要させられております。参加したら参加したで、あの一夜をネチネチと問い詰められ、しまいには「お前の腐った根性を叩きなおしてやる」と一方的に殴りまくります。
真田広之もさすがに事の重大さに気づいているはずですが、「教師を辞める」という責任の取り方はいただけません。赤井英和にボコボコにされるはずです。おっしゃる通りダメージは停学になってる桜井幸子の方がでかいので教師を辞めればよいと言い放つのは、子供っぽいかもしれません。
二人にとって散々なバレンタインデーですね。あの汚らわしい教育実習生の歓迎会も桜井幸子とダブルブッキングだし、向こうからすれば親の監視を振り切ってますからね。ようやく出会えたと思えたら、別れ話をしなければいけないなんて、きつすぎるバレンタインデーですな。
ヤバい方向へ振り切る７話
「高校教師」がヤバい方向へ本格的に向かっていくのは７話からです。持田真樹がもう少し演技が上手ければ、あのヤバいストーリーを乗り切った後、９０年代を代表する女優になれたかもしれません。
体育の授業で持田真樹が倒れて、病院に運ばれた後妊娠が発覚してしまいます。第２話でそこまでやられていたということになります。妊娠したという事実を京本政樹は知り、怖すぎる観覧者デートに誘います。だってそうでしょうレ〇プした挙句にビデオで弱みを握った相手と観覧車にいるだけで想像を絶するものがあります。そんな空間で京本政樹に好き勝手なことを言われるんですよ。私だと観覧車から飛び降りたくなると思います。一連のスピンオフを演じきっただけでも評価に値するとは思いますが、もう少し演技が上手ければと思うともったいないです。
のちに悪魔のKISSというマジでヤバいドラマをきっかけにブレイクした常盤貴子はこの手の演技得意なので、その後９０年代を代表する女優になります。それを思うともったいなかったかもしれません。
「高校教師」のアナザーストーリーも佳境に向かっていきます。これを同時進行でやるから「高校教師」が激やばドラマとして伝説に残ります。本編とスピンオフがバラバラだったら、視聴率３３％も取れないでしょう。
７話はスピンオフが衝撃的だったのか、本編は正直あまりよくわかっていませんでした。７話あたりに箸休めのストーリーと見せかけて、思い切り伏線を張り巡らせるドラマが多いはわかりますが、それでも本編はあまりわかりませんでしたね。
「本編」は桜井幸子が真田広之に振られた腹いせに夜遊びしまくる話です。７話はテレクラでパパ活したと思ったら、変な男たちについていってレ〇プされそうになるスタートです。
振られた腹いせに自分自身を破壊させている行動だと思いますが、ちょっとよくわかりませんでした。やっぱり私はまじめだったのだろうか、どんなにムシャクシャしても自分を破壊するような行動はとらなかったと思います。私だったら、学校サボって引きこもりの道を進むのがせいぜいだろう。真面目というか惰性で学校行って、何にもしないで帰ってくるのが私の高校時代だったかもしれない。
社会人だったらやっぱり惰性で仕事した後、金に任せて安全な範囲で欲望に忠実に生きるかなと思う。なので、桜井幸子の行動が最後までわからなかったけど、それは若さゆえの不安定な行動でかたずければ良いのだろうか？
とにかく、桜井幸子はやけくそになった火遊びの最中に、一緒にいた風俗嬢の後をつけて五反田の職場までついていきます。風俗嬢の誕生日を一緒に祝うが、それはあくまでもイレギュラーでホントはたった一人でヒモ男にたかられるのを待つ、一人きりの誕生日だったのです。
ホントに一人であれば耐えられたかもしれませんが、無駄に桜井幸子という闖入者がいるから寂しさがこみあげてきたのでしょう。風呂場のリストカットで命を落とします。これはめっちゃキツイ。闖入者として目覚めて最初に見たものがこれじゃトラウマもんでしょう。
こうなったらとにかく警察なり救急車なりに通報しなくてはなりません。メンタルボロボロなうえに、第一発見者であり「容疑者」としてふるまうことになります。そんなこと「あのオヤジ」には言いたくありません。相談できるのは必然的に真田広之になります。
こうして、真田広之と桜井幸子はヤバい道に進みそうな予感です。
９３年当時もこの回から視聴率が上がり始めました。この先どこに向かっていくのか、先が気になって仕方なくなりました。