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読書が役に立つ人、役に立たない人の違い

私は自分の精神病が一番ひどかった時、図書館に通って本をたくさん読んで、自分の病を治そうとしたことがあります。

病気を治すための読書だったはずなのに、心理学だけでなく物語・哲学・ビジネス(お金)・その他自己啓発・伝記・旅行記・写真集・芸術・イラスト教本・動植物昆虫の図鑑……いろいろなものを読んできました。

今まで読んだ本で得た知識は、病気の克服だけでなく現在の仕事や生活にも良い影響を与えています。
精神病の症状は99%出ませんし、親との関係も改善されましたし、パートナーとも仲良く暮らせていますし、昔ほど不安に怯えなくなりました。

が、たくさん本を読んでいるにも関わらず、精神病症状がつづく人、人間関係の問題が改善されない人、不安にさいなまれ続けている人がいます。

ということは、読書量の多さが人間の幸福(生活の向上)と直接関係するわけではないようです。

たくさん本を読んでいるにも関わらず、読書経験や知識が活かされないのはなぜなのか。
私は「本の読み方」に問題があるのではないかと感じました。

以下は読書好きの人間(肩書きはカウンセラー)による、超個人的な分析考察です。

◆読書が役に立っている人の特徴

個人的観測範囲で読書が役に立っている人の特徴をざっくりと3つまとめました。主に自己啓発本に関わる話ですが、それ以外の物語などでも当てはまります。

1.重要だと感じたことをひとつでもすぐ実践する
2.同じ本を何度か繰り返して読む
3.自分に当てはまらない話でも、自分に置き換えて読み進められる

それぞれどういうことなのか説明します。

1.重要だと感じたことをひとつでもすぐ実践する

今までたくさんの自己啓発本を読んできましたが、結局どの本も最終的に言っている重要事項は同じでした。
「今すぐ動け(実践しろ)」ということです。

私にとって、この話はどんなジャンルの本でも同じことです。
たとえば小説の場合。
物語には大抵、何らかの教訓が紛れ込んでいます。作者本人がそのつもりで書いていなくても、読者が勝手に反省することもあるでしょう。

あからさまに教訓めいた書き方をしていなくても、他者の人生や自分では生きられない人生を仮体験することができる、そこから何かを感じ取れる……それが小説だと私は考えております。

読書が役に立っている人は、その感じ取ったものをもとに、すぐ行動や実践ができる人です。

読書が役に立っていない人は、読んだその日(またはその瞬間)は非常に感銘を受けるけれども、そこで感じ取ったことをもとに行動・実践しません。

あるいは、たった1〜2回や数日やっただけでやめます。

2.同じ本を何度か繰り返して読む

当たり前ですが人間は忘れる生き物です。
めちゃくちゃ感動した小説も、衝撃を受けた自己啓発本も、数年読まなかったら内容を忘れます。なんなら1ヶ月で忘れる場合もあります。

私も先月読んだ本を今月再読したら、内容の60〜70%くらい忘れていてビックリしました。加齢によるものでしょうか。

読書が役に立っている人は、一度読んだ本をしばらく経ってからもう一度読んだり、お気に入りの本を何度も読む傾向が高いように感じます。

ちなみに私は一回読んだ本の内容を忘れないように(あるいは忘れても思い出せるように)、読書ノートをつけています。

上述した「先月読んだものを今月再読した」理由は、この読書ノートを書くためです。

読書が役に立っていない人は、とにかく読書量だけを追い求めて、読んだそばから忘れる人・思い出すための努力や工夫も特にしない人です。

3.自分に当てはまらない話でも、自分に置き換えて読み進められる

私には「人生においてこの3冊を読んでおけば大体うまくいくようになるな」と思っている本があるのですが、同じ本を読んでもうまくいかない人は多数います。

「まあ人それぞれ趣味嗜好や価値観も違うしなー」と思っていたのですが、話を聞いていると自分に当てはめて考えられない人が圧倒的に多いのですね。

読書が役に立っている人は、自分と違う境遇や思考の話でも、どうにか何かを得てやろうと貪欲に読み進めることができる人です。
「もし自分だったら……」と自分に置き換えることができるのです。

読書が役に立っていない人は、いかに自分と違うかの粗探しを必死でします。「私には関係ない話だわ」と思って放り出したり、どこかツッコミどころはないか重箱の隅をつつくように読み進めたりします。
ただ否定するための読書なので、何も頭に入っていません。

◆年を取ったら知識を蓄えるより思考力を高めたほうがいい

今回の記事を書くにあたり、読書について色々検索していたら面白い記事を見つけました。

上記の記事によると、40代になったら読書で知識を蓄えるより独創的な思考力を養ったほうがいい、ということです。
私は今39歳なので、読書がギリギリ役に立つ年齢だったんですね。

上記に「読書を役立てたいなら実践しろ」的な話を書きましたが、実際に自分で動いてみると、自分で思考する機会が圧倒的に増えます。

本に書いてあった通りやってみたけど、自分はこのやり方が合うな、アレンジしてみよう、とか。
本から学んでやってみたけど、実際はこういうケースもあるのか、そういう時はこんなふうに対応しよう、とか。

ただ本に書いてあることを上っ面だけ真似して「書いた通りにやったのにうまくいかなかった。もうやめよう」と思考力を養わないでいると、何歳で読もうが読書は何の役にも立ちません。

◆そもそも役に立つとか立たないとか関係なく読んでいる人が最強

話をシンプルにするため、ここまで「読書が役に立つ人・立たない人」と二分化して説明してきましたが、私が思う最強の読書人は「そもそも役に立つとか立たないとか関係なく好きで本を読みまくっている人」です。

先ほど94歳が「読書が役に立つのは30代まで」と言っている記事を紹介しましたが、好きだったら40代だろうが50代だろうが読み続けられる人が優勝です。

だいたい私はコスパ(コストパフォーマンス)とかタイパ(タイムパフォーマンス)とか言っている人が好きではありません。

コスパが悪かろうがタイパが悪かろうが気になった本を片っ端から読めばよろしい。

私も「クソつまんねーな」と思った本を読んだことが1〜2回はありますが、クソつまんねー本を読んだおかげで「やっぱり自分の好きな小説家は最高に面白い」と改めて思うことができて、それはそれで良かったです。

「1〜2回って少なくない?」と思うかもしれませんが、あとは大体直感で選ぶようになったら面白い本にしか出会わなかったからです。
「こういうのも読んどいたほうがいいのかな〜」みたいな感じで、頭で選んだ本はたいてい面白くありません。

面白い本は本のほうから呼んでくれます。多分。なんかパッと目に入るんですよね。

ちなみに私は読書がとても好きな人間ですが、本だけ読めばいいとはまったく思っておらず、一番重要なのは上述したように「現実で行動・実践すること」、そして「人と直接話す(関わる)こと」だと思っております。

ではごきげんよう、さようなら。

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