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女性なのに巨乳も露出の高い服の絵も描きたい私は、肩身が狭かった

昨日の記事終盤に書いた話を、別記事にしたほうがいいと思ったので独立させる。

昨日の記事で紹介したのだが、初めて展示会用の絵でセクシー系の絵を描いた(2枚目)。友人達から「猫より胸に目がいってしまう」と言われた。

実はこういったセクシー系の絵を描くのも私にとっては冒険だった……というか、そもそもこのキャラクターを生み出す事自体が私にとって冒険だった。

拙作「パパは暗殺者(アサシン)!」3話4ページ目

巨乳暗殺者メイド・ミリアちゃん。
彼女は、友人M美さんから「この漫画は巨乳が出てこないのか」と言われて無理やり創ったキャラクターだ。

なぜ私が巨乳を避けていたかというと、日々Twitterなど見ていると「胸が大きかったり体のラインを出したり露出の高い服の女性キャラを描くと炎上する」という現象をよく目にするからだ。「性的搾取」とか言われる。
それを言っているのは女性のほうが多く見受けられる。

私は彼女らの怒りを否定するつもりはないので、「あなた達はそういう意見なんですね」で終わらせたい。言いたいことも部分部分によっては何となくわかるところもあるし。
いや、正直言うと、いちいち対決するのが面倒くさいので、棲み分けしたい。関わりたくない。そっちはそっち、こっちはこっちで生きればいいではないか。

だから初め、自分のキャラクターデザインに「巨乳」を入れなかったのだ。
万が一にでも噛みつかれる可能性を作るのは面倒臭いし、そんなに巨乳とか体のラインが出るとか露出の高い服にこだわりがない、と思っていたし。

しかしいざ彼女を創り出してみると、巨乳も体のラインを強調するのも露出の高い可愛い服も描いてて楽しいのだ。たーのしー!!(サーバルちゃん)

そういえば私は中学生から「トゥルーラブストーリー」「ときめきメモリアル」を嗜むギャルゲー好きの女子だった(反対に乙女ゲーには全く興味がなかった)。「To Heart(全年齢)」「Kanon(全年齢)」も嗜んだ。「(全年齢)」などと描いたが、普通に別タイトルの18禁ギャルゲーも嗜んでいる。

っていうか、何なら自分で作っていたし、そういう制作会社で仕事をしたこともある。

「こういう絵は女性差別だ! 性的搾取だ!」と声高に叫ぶ女性を横目に見るたびに、同じ女性として生まれたのに一切そういうことを思わない私は肩身が狭い。

しかもそういう性癖を表に出すと「女性が男性に性的対象として見られることは当たり前だと脳に刷り込まれ洗脳されてしまった可哀想な女」扱いされてしまうのだ。怖い。女性怖い。

だからといって男性の全面的な味方になりたい訳ではない。こういう性癖を表に出して「こいつは性的に見られたりエロいことされるのを簡単に受け入れる女なんだな」扱いしてくる男性も怖い。

女も男も怖い。いや、性別どうこうではなく、単なる個人的な趣味嗜好を「人格否定(あるいは断定)」に結びつける思考の人間が怖い。

昔よくいた「バイオハザードが好きな人は猟奇的殺人事件を起こす」みたいなことを言っている人と同じくらい、偏った思考だなと思ってしまう。
私はバイオハザード(ゲーム版のみ)が好きだが、猟奇的殺人事件は特に起こそうと思わない。

閑話休題。

そういう理由があって、表向きには必死に巨乳や体のラインが出る服・露出の高い服を描かないようにしてきた。
(非常にアンダーグラウンドな場所でだけで描いたりはしていた)
しかし、「もういいんじゃない?」と思ってきた。

だから今、思いっきり描いている。ものすごく楽しい。
このきっかけをくれた友人に感謝したい。ありがとう、M美さん。

「創作」とは、抑え付けられている(いた)自分を自由にするための手段だと私は考えている。それなのに、炎上や攻撃的・あるいは重箱の隅をつつく系の批評を恐れて、自由な創作をできなくなっている人が多すぎる。
嘆かわしいことだ。

もちろん妄想と現実の区別がつかず、自分の趣味嗜好を増長させて犯罪に走る人には「他のオタクに迷惑かけるなボケ」とは思う。

しかしそもそも妄想と現実の区別がつけられない人に成長してしまったのは、主に周囲の大人が原因であることが多い。
そしてそういう大人は「個人の趣味嗜好や考えを否定し」「本人は自分の気持ちを抑圧せざるを得なくなる」ケースが多い。
抑圧し続けた結果、いずれ“暴走”する。

私は巨乳や露出の高い服を描いて楽しんでいるような女だが、心理カウンセラーでもあるので、こういった状況は非常によく耳にする。
「悪いものは迫害し抑えつけたほうが異常者は減らせる」と本気で信じている人たちが、彼らの言うところの「異常者」を増殖させている。

ああ、悲しい。書いていて悲しくなってきた。

でもそれがこの世界だ、と思いながら、私はこれからも生き続けるしかないのだろう。私は争いは好まない(というか面倒臭い)ので、対決はしない。

彼らには彼らの言い分がある。それを受け入れた上で、自分の意見を言うこともしていこうと思う。

ごきげんよう、さようなら。

現在、企画展出品中でございます。

企画展「夢語り 〜昨日の夢 明日の夢〜」

会期/2022年1月7日(金)〜19日(水)
会場/猫雑貨&猫ギャラリー「猫の額」
〒166-0002  杉並区高円寺北3-5-17

営業時間/12:00~20:00
木曜定休(祝日は営業)

★企画展詳細ページ
http://www6.speednet.ne.jp/~nekojarasi/hpdeta/newpage514.html

途中で挙げた漫画↓

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伊藤巴(ともえ)@漫画家×カウンセラー
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