イラスト原画が売れる理由・コツ・方法を考える
オリジナル記事掲載日:2018年11月29日(2022年加筆修正アリ)
先日、久しぶりに通販で原画注文が入りました。
事前に「あの絵を買いたいんです」と
言われていた作品だったけど、やっぱり嬉しかったです。
で、ふと
「今まで何となく原画を売っていたけど、
売れる傾向がありそうだな」
と思ったのと、
「売り方がわからなくて困っている
イラストレーターさんとか、いるのでは?」
と思ったので、この記事を書くことにしました。
ちなみに
「こういうモチーフを描けば売れるぞ!
売れたいなら嫌でも描け!」
っていうゲスい話じゃなくて、
「自分の好きな絵を描いたうえで、
こういう風にすると人の目に止まったり、
絵そのものの魅力が高まるんじゃないか」
っていう話です。
では、実際に売れたケースを交えつつ、
解説していきますね。
1.展示の機会があったらバンバン出す
こちらは展示会に出していて、その場で売約が決まった額装原画です。
(2022年追記:
しかもこの絵を買ってくださったお客様から、その後この「破戒僧と比丘尼と猫シリーズ」で計4枚の原画オーダーをいただきました)
とにかく、出さないと知ってもらえません。
1回とか2〜3回ほど表に出しただけで売れなくて
「こんな絵売れないんだ…」
「自分の絵なんてダメなんだ…」
と思っていませんか?
(ていうかわたし自身が思っていました)
“どんな作品が描けるのか”
“実際、どんな作品をもっているのか”
というのは、表に出さないと誰もわかりません。
生で見てもらえる機会があれば、
過去の作品だろうが
普段の画風と違おうが
バンバン出しましょう。
しかし展示会に出すのって
毎回まあまあお金がかかったりするので、
展示会だけでなく、SNSを利用して
発表するのも有効ですよ。
2.長年の「良いファン」を大事にする
先程ご紹介した絵は、
長年ファンをして下さっている方が
ご購入下さったものです。
新規ファン獲得にばかり目を向けて、
昔からのファンのかたに
目を向けるのを怠ってしまう時も
あると思いますが、
ずっと見ていてくださる方が突然
原画を購入してくださることもあります。
長年のファンは大事にしましょう。
というか、この方自身を
わたしが「良いファンの方だな〜」と思うから
自然と大事にしていた…というのもあるのですが…。
長年のファンだから、という理由で
無理なリクエストを出してきたり
あなたの業務妨害をする人は
優しくしなくてもいい、とわたしは思っています。
誰にでもいい顔してると、
潰れるのは自分ですからね。(経験談)
3.売る(出す)場所や、相手を変えてみる
上の2点はどちらも東京・高円寺の
ギャラリー「猫の額」様で
委託展示をしていて売れた作品です。
なんとどちらも日本へ来られた
外国人旅行客のかたが、
たまたまこの絵を見かけて
購入して下さったそうです…!
「日本で全く売れなかったクリエイターが、
海外へ出したら途端に人気者になった
(しかも海外で売れたら、
日本でも売れるようになった)」
みたいな話はよく聞きますよね。
ということで、自分が
「作品を出す場所」
「作品を見てもらう相手」
を変えるというのは有効だと思います。
わたしはこの事があってから、
完全に海外にも目を向けるようになりました。
そして
「島根県(地元)で売れなかったものが、
東京で売れる」
こともあるし、
「東京で売れなかったものが、島根県で売れる」
こともあります。
自分の勝手な思い込みで、
作品を見せる場所や対象を
狭めていないでしょうか?
4.作品のタイトルも大事
この記事のトップに貼った
イラスト原画ですが、
元々こちらのタイトルは
「あなたのことが好き」でした。
何年もずっと購入されることなく
我が家にあったのですが、
ある日ふと、
「次の展示会で、
『毒々しい恋心』というタイトルに
変更して出してみよう」
と思いついたのです。
なぜか展示会で多くの方が見てくれたり、
タイトルを変えた数ヶ月後に
「あの絵が欲しいです」
と言われたりしました。
タイトルだけが理由ではないかもしれませんが、
わたし自身、イラストだけでなく写真の作品でも
「このタイトルは秀逸だなあ」
と感じることがあるので、作品タイトルも大事ですよ。
5.自分の作品のことを気にかけてあげる
上記のタイトル変更もそうですが、
自分の作品のことをいろんな形で
気にかけてあげるのが大事だと思います。
何年も前に描いた作品で、
一向に引き取り手がないと
そのまま置いといてしまいがちですが、
「この子(作品)を迎えてもらうには、
どうしたらいいだろう?」
といつまでも気にかけてあげましょう。
ちなみにこの絵は、
今よりお金がない頃に描いたので
立派な額を買ってあげる余裕がなく、
100円均一の額にペイントをして額装したのです。
(猫の額店長さんが「それでも立派な作品ですよ」
と仰って下さったし、
実際、100均の額でもペイント次第で売れます)
が、タイトルを「毒々しい恋心」に変更してみると、
急にこの額が合わない気がしてきたのです。
「かわいすぎるのでは?」と。
それで急遽、額を購入して変更しました。
ちなみに「買いたい」と言った方は
この額装変更を表へ発表する前に
「買いたい」と言って下さったのですが、
“自分が気にかけてあげると
なぜかお客さん側も気にする”
というのは、
自分が会社員(アクセサリー店販売員)
だった時代にもよくあることでした。
不思議ですよね。
で、写真をお見せしたら
「変えた後の方が好きです!」
と言っていただけたので、
額装変更後の形でお送りいたしました。
(2022年追記:
ご購入から数年後、この額は原因不明で
壊れてしまうのですが、
額をお取替えするサービスも行いました。
アフターケアも大事です)
6.好きなもの・描いていて楽しいものを描く
これまで、発表から売約に至るまで
やや時間のかかった作品を
ご紹介しましたが、
上の2点は販売開始してすぐに
ご注文いただいたイラスト原画です。
(かなり前の作品ですが)
この記事でご紹介した作品は
それぞれ、全く別の方が
お迎えして下さったのですが、
ある共通点があります。
「和装が多い」もそうなんですけど(笑)、
要するに、
「わたし自身が好きなもの」
「描いていて楽しかったもの」
なんです。
(わたしはセーラー服も好きです)
絵でプロを目指そうと思うと、
「どんな絵でも描ける人が重宝される」
と思いがちです。
(実際にそういう面もあります)
しかし、どうも自分の傾向を見ていると
「こういう絵も描けた方がいいかな?」
と思って描いたものより、
「これが描きたい! 描くー!
たーのしー!!」
と思って描いたものの方が、
早めにお迎えして頂けているんですよね。
あと、“好きなもの”というのは
単純に「作者本人が描きやすい」だけでなく、
「お客様(見ている人)が魅力を感じやすい」
作品になるような気がします。
けっこう、イラストレーターさんや画家の方でも
「この絵といえば、この人!」とか
「このモチーフといえば、この人!」という人が
いらっしゃいますよね?
わたしも「ネコトバ。」のおかげで
「あの猫と言えば、巴さん!」
と言われるようになってきたんですが、
ようするにあれも
「猫が好き」という一心だけで描いてきたものです。
ということで、自分の心に素直に描きましょう。
あとは、「うまくなりたい」という
心を捨てないことでしょうか。
「このくらいでいいや」と思ってると、
すぐ人に伝わりますので。笑
ごきげんよう、さようなら。
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