1on1ほど誤解されているスキルはない
ここ数年、1on1ミーティング(1on1)が大分浸透してきたように思います。しかし、これほど誤解されているスキルも珍しいのではないでしょうか。その最大の誤解とは、今までの上司と部下の一対一の面談を1on1と言い換えているだけという誤解です。
従来型の一対一の面談は、上司が聞きたいことを聞く場です。
例えば、四半期に一度、または半年に一度、ボーナスの前の査定として行う場合です。上司は、目標達成率とその理由やうまくいったこと、いかなかったことなどを聞きます。これは上司が聞きたい情報です。部下からすれば自分のことですから、言わなくてもわかっています。
これを流行言葉に乗じて1on1と呼んでいるケースがなんと多いことか。
つい先日も、知り合い(60歳くらい)が、「部下と1on1をやって泣かせてやった」みたいなことを自慢げに話していました。(もちろん感動してうれし泣きという文脈ではありません)
なんという時代錯誤、不勉強な人でしょう。こういう上司をもった部下はかわいそうです。
ちなみにその部下も知っていますが、まじめな好青年です。
1on1とは、部下が話したいことを話す部下のための時間です。つまり、1on1が終わった後に、部下のエネルギーが高まっていることが重要です。これをもって1on1がうまくいっているかどうかが決まるのです。
前に述べた一対一の面談とはまったく異なるものです。そして、もう一つ大きな違いがあります。それは頻度です。
従来型の一対一の面談は数か月に一度です。会社によっては年に一度というケースもあるのではないでしょうか。
1on1は毎週、または月に一回という頻度で行います。内容よりも頻度と割り切ってよいのです。
皆さんの会社では1on1を行っていますか?
それは従来型の一対一の面談を今風に言い換えただけではありませんよね。
皆さんの会社の従業員のエネルギーが高まりますように。