【2/23(木)まで】『アプローズ、アプローズ』という極上の”思てたんと違う!!”映画を見逃すな!【作品紹介】
お世話になっております。パルシネマしんこうえんです!
寒暖差に黄砂に花粉にと振り回されまくりですがいかがお過ごしでしょうか。ちょっと今回は、どうしても紹介しとかなあかんな!という一本をちょっと取り沙汰してみますよ。
そしてこの記事には若干のネタバレを含みます…!明確には言わないよう苦心していますが、これを読むと少しラストが予想できてしまうかもしれません。一つ言えることは今作はネタバレなしで観た方が絶対に楽しめます!
だから本当はこのまま黙っていようかと思ったの。でもあの人(映画)のこと誤解したままサヨナラ(上映終了)してほしくなかったの!
すみません。少し取り乱しました。絶対にネタバレは聞きたくない!
という方は申し訳ありません…!劇場でお待ちしています!!
言いましたよ!
それでは元気にいってみましょう!
『アプローズ、アプローズ!』です。
よろしくお願いします!
予告編、あらすじとご覧いただきましたがいかがでしょうか。おそらく多くの方は「囚人たちや周囲の人々の不理解などとぶつかりながら障壁を乗り越え、とうとう最後に大舞台&大団円!!!」という映画だな、と確信されたのでは?はい。ここで『スラムダンク』安西先生の言葉をお借りします。
そうなんです。ネタバレがNG ≒ 最後にちょっとした驚きの展開がある、という映画なので、かなーり!予告を作られた方が苦心したことは伺えます。また「ゴドーを待ちながら」がどこまで知られているかという不安もあったのではないかと思います。そうなんです。宣伝泣かせ映画ではあるんです。
「そういう」映画で良いのいっぱいあるんですが、この映画はその山じゃない山にある、とっても良い映画なんですよ!といいたいんです。
大筋は、あらすじの通り。スウェーデンで実際に起きた一連の出来事を、フランスに舞台を移して再構成したものです。この「一連の出来事」というのがね!曲者でね!劇中でも事実でも囚人たちに指導した演目。「ゴドーを待ちながら」という戯曲がものすごく良いスパイスになっているんですよ!
「ゴドーを待ちながら」という戯曲は世界的に有名なサミュエル・ベケットさんよる不条理劇だそうですね。最近では俳優の柄本明さんとその二人のご子息・柄本佑さんと柄本時生さんら「柄本家」で「ゴドー」に挑む様子を収めた『柄本家のゴドー』なんていう映画もありました。
「ゴドー」をすごーく要約すると、「ゴドー」なる人物を皆が待っている。でもゴドーは最後まで現れない。それだけと言えばそれだけのまさに不条理劇。この「ゴドー」とは何を表しているのか?それは今でも世界中で研究されているようですが、少なくともベケット氏は明言しなかったそうです。
さて、この映画にとって「ゴドー」とは。登場人物それぞれがそれぞれの「ゴドー」を模索します。エチエンヌも、囚人たちも、そして私たちも。みな「ゴドー」がきたのでは!?と一喜一憂します。そして…?予告の最後で使用されている最後の文言。本当に苦慮してつけたのだと思います。
この映画が最後に畳み掛ける展開。そして驚くべきことにこれが実際に起きた出来事だったという、あまりによく出来すぎた事実。そしてこの出来事を映画としてさらに昇華してみせたセンス!事実は小説より奇なり、なのか。むしろ逆で「ゴドー」がよくできすぎているのか。いずれにしろお見事で!
もちろん、予告編やあらすじで期待させられるような、エチエンヌと囚人、あるいは刑務所管理者たちとのやりとり。何かが作り上げられていく高揚感。そして苦心して作り上げた演劇の爽快感。これらもとっても素敵。でもこの映画はそれだけじゃないのがもっと素敵!
「チーム映画」としてもかなり良い…!出てくる人たちみんな好きになっちゃう。本当に素敵。でもだからこそ…!!あとは見てのお楽しみ!ちょっとでも気になった方は劇場にお越しくださいね!!感想もお聞きしたいです!